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日本フランスセミナー「小麦ゲノム解析」(2012年12月京都)
開催報告

小麦畑の写真

2012年12月11~12日の2日間、日本フランスセミナー「小麦ゲノム解析」が京都で開催されました。

小麦は世界第2位の生産量を持つ穀物であり、世界の食料安全保障向上のために収穫量の飛躍的な改良が期待されています。小麦が持つすべての遺伝子情報のことを小麦ゲノムと呼び、これが解読されることで乾燥や干ばつなど厳しい栽培環境に適した品種開発が推進され、小麦の安定生産を実現できます。

現在、我が国は、主要国と国際コンソーシアムを組んで小麦ゲノムの解析を進めているところですが、イネの40倍もの大きさを持つ巨大なコムギゲノムの解析は、ゲノム解析技術が進歩した現在でも大きなチャレンジです。農業生物資源研究所は、日本を代表する機関として国際コンソーシアムに参加するとともに、国内の大学・研究機関ととともに、小麦の6B染色体のゲノム解析を進めています。

セミナーの写真

今回のセミナーには、日本からは農業生物資源研究所のほか、日本の小麦ゲノム学の発祥の地である京都大学や来年9月に横浜で開催される第12回国際小麦遺伝学シンポジウムの事務局となる横浜市立大学の関係者など、また、フランスからはINRA(フランス国立農学研究所)クレルモン・フェランやベルサイユ研究センターの関係者など、両国のゲノム解読の中心的な研究者総勢22名が参加しました。またセミナーでは、小麦ゲノム研究に関する最新の研究成果の報告や両国の一層の研究協力に向けた意見交換が行われ、日本フランス双方の参加者にとって、最新の研究成果はもとより、論文、電子メール、インターネット情報からだけでは伝わらない最新の研究状況をアップデートする良い機会となりました。

集合写真

翌日(12日)は、京都大学の研究所や、同大学が保存する小麦品種を使って古代エジプトで作られていたビールを再現した黄桜酒造などを訪問し、小麦ゲノム解析の研究が持つ意義について認識を新たにしました。

国際コンソーシアムでは、2016年の小麦の全ゲノム解読を目指していますが、それに向けて、現在、活発に研究を進めて、コンソーシアムをリードしている両国研究者の交流が今後も継続されることにより、目標達成やその後のゲノム情報利用による小麦研究が一層発展すると考えています。


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