品種詳細
つきことか
イネ発酵粗飼料(WCS1))用品種で、茎葉収量がWCS用従来品種の「たちすずか」より2~3割高く、また晩植栽培でも籾(もみ)の割合が増えず茎葉部を多く収穫できるのが特長です。「たちすずか」と同様に糖含有率が高く、良質なWCSが生産できます。他のWCS用品種と組み合わせて作付けすることで、移植や収穫作業の分散や良質な飼料の増産が図れます。
主要特性
- 「つきことか」は、普通期移植栽培での地上部乾物重は2,125kg/10aで、「たちすずか」より19%多収です。全体に占める籾の重さの割合(籾重割合:従来型の品種「タチアオバ」は35~40%程度)は「たちすずか」の7.9%に対して1.6%と少なく、消化性が優れる茎葉部乾物重は27%多収です。
- 糖含有率は15.6%であり、「たちすずか」の17.0%と同様に高く、良好な発酵が期待できます。
- 晩植栽培では籾重割合が「たちすずか」の16.0%に対して2.5%と少なく、茎葉部乾物重は「たちすずか」より22%多収です。
- 育成地である瀬戸内沿岸部での出穂期は9月23日頃で「たちすずか」より3週間程度遅く出穂します。出穂特性の日長反応性程度は「たちすずか」と同様に強く、移植時期が変動しても、出穂期の変動は小さく、育成地では9月下旬から10月初めに出穂します。
- 稈長は138cm程度と「たちすずか」より20cm近く長い極長稈で、穂長は「たちすずか」よりやや短い草型をしています。
- 縞葉枯病に抵抗性で、縞葉枯病が発生しやすい地域でも栽培できます。
- 極長稈で倒伏リスクが高いので、疎植栽培や中干しなどを行い倒伏リスクの低減に努める必要があります。
- 葉いもち病抵抗性が弱いので、常発地帯での栽培は避け、防除を励行する必要があります。
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
---|---|---|---|
33004 (2018年4月 5日) |
2018年8月14日 | 29256 (2022年6月 9日) |
25年 (満了日:2047年6月 9日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
05多予II-15/中国飼189号 | 中国飼220号 |