品種詳細

太月(たいげつ)

カキ品種「太月」は、栽培しやすく、果実成熟期は「平核無」とほぼ同時期の渋ガキ品種です。単為結果力が高く、受粉樹が不要で、結実は安定しており、収量性は高いです。大果で肉質が軟らかく、多汁で食味が優れています。名前は、大きい円形の果実のカキに因んで名付けられました。

主要特性

  • 「太月」は、「平核無」と同時期またはやや遅い時期に成熟する中生の渋ガキ品種です。果形はやや扁平であり、果実重は著しく大きく「平核無」の約1.7倍で、育成地では平均447gになります(表1)。果皮色は橙黄色です。
  • 糖度は14.6%程度で、「平核無」と同程度です。適熟果の肉質はやや粗いが軟らかく、多汁です。
  • 炭酸ガス脱渋(CTSD脱渋:炭酸ガス100%・26°Cで1日、その後、26°Cの空気中で2日)により脱渋します。日持ち性は長くない品種です。果頂裂果・へたすきはほとんど発生しません。条紋が発生しやすい特性があります。条紋が著しく発生した果実は軟化しやすく、脱渋に適しません。
  • 樹勢は強く、樹姿は開張します。雌花の着生は多く、雌花の開花期は「平核無」より11日程度遅い時期です。雄花はごくわずかに着生することがあります。単為結果力が強く、受粉樹は不要で、結実は安定しているなど栽培しやすい品種です。収量性が高く、10aあたり3t以上の生産が可能と見込まれます。
  • 東北地方南部以南のカキ生産地で栽培が可能です。

図1 「太月」の結実状況
結実状況

図1 「太月」の果実2
果実



表1

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
21447
(2007年9月11日)
2007年12月21日 17492
(2009年2月26日)
30年
(満了日:2039年2月26日)
交配組み合わせ 旧系統名
黒熊×太秋 カキ安芸津20号

栽培適地

東北地方南部以南のカキ生産地で栽培が可能です。

農林認定品種(旧:命名登録品種)

登録番号:かき農林12号

登録年月日:2008年3月

育成担当者

山田昌彦、佐藤明彦、三谷宣仁、岩波 宏、白石美樹夫、山根弘康、平川信之、上野俊人、河野 淳、吉岡美加乃、中島育子

発表論文

果樹研究所研究報告 14号, p.25-38(2012-09) : カキ新品種'太月'