ダイバーシティ推進 Diversity and Inclusion

元気な農と食を支える、女性研究者たち

その時々の研究課題と向き合ってきたことは、マイナスではなかったと思います

rolemodel04-1中村ゆりさん

果樹研究所 果実鮮度保持チーム
チーム長

今の仕事(研究)について教えてください

チーム名にあるとおり、果実の鮮度を保つための研究とそのマネジメントに携わっています。近年、特に東アジアの国々で日本の果物に対する需要が高まっていて、輸出量が伸びています。今後も国産果物の輸出を促進していくという政策的な要請に応じて、鮮度保持の技術、偽装表示を防止するための判別技術 の開発などにあたっています。

農研機構(研究という仕事)を選んだ理由は

実家が山形で農家を営んでいましたので、農業には親しんでいましたね。水田が主でしたが、サクランボやリンゴも栽培していて、そういった果樹の育種をしてみたくて、大学は農学部に進みました。国家公務員試験に合格して当時の農林水産省に採用、果樹試験場に配属となりました。 学部卒でしたので、戸惑いや不安に思うこともありましたが、同じ年に採用された博士課程卒の女性研究者の方に何かと相談に乗っていただきました。

大学での研究と、今の仕事(研究)との繋がりは

大学では果樹園芸の研究室で、カンキツ類の分類をテーマに卒論をまとめました。研究所では配属になってすぐ育種に携わるようになり、大学の研究との繋がりはないのですが、もともと果樹の品種改良をやってみたいという気持ちはありましたので、それが叶ったことになります。

研究活動を通じて得たものについて教えてください

私の場合は、家庭の事情で転勤を希望したこともあって、一貫して一つの研究テーマを追求するということができませんでした。研究者としては1つの テーマを学術的に究めていくのが理想だとは思いますが、私自身はその時々に配属になった研究室のテーマに取り組みながら、研究生活を続けてきました。

最初の6年は核果類の育種の研究室でモモ、スモモ、ウメの育種を手がけ、次の6年は育種法研究室でカキとキウイフルーツの組換え体作出について、次の6年は根圏機能研究室でモモの硝酸イオントランスポーターの発現解析について といった具合です。

その後は農研機構本部の企画部門を経て、現在は鮮度保持のチーム長ですが、色んな分野の課題に触れてきたことはマイナスではなく、特に、生産現場に近いところで公立の試験場の方々と連携するような時には、それが役立つことも多いと感じます。

今後の仕事(研究)における夢は何ですか

目に見える形で現場におろせるようなことができたら面白いと思います。基礎的な知見であっても役に立つような成果を出したいですね。なかなか難しいことなのですが。

女子学生・ポストドクターへのメッセージをお願いします

研究は時に厳しくて、もうやれないかなと思うこともあるけど、続けていくことが大事です。継続は力なり、ですね。

仕事と家庭(生活)とのバランスについて、ご自身の考えや工夫されていること

私は娘が1歳の時に学位論文をまとめました。育児休業を1ヶ月取って復帰したのですが、生後半年で広島の拠点からつくばの本所に異動が決まり、何かと大変な時期でした。 主人の母に応援を頼んで飛行機でよく来て貰いました。そうした経験から、あまり頑張り過ぎないこと、大変な時には周りの人に助けを求めることも必要だと思います。

(取材日:平成21年11月)