ダイバーシティ推進 Diversity and Inclusion

元気な農と食を支える、女性研究者たち

農村から新たな価値観を発信するのが夢

rolemodel03-1遠藤和子さん

農村工学研究所 農村計画部地域計画研究室
主任研究員

今の仕事(研究)について教えてください

農村、中山間地域におけるソーシャルキャピタルの蓄積についてが一番大きなテーマです。

ソーシャルキャピタルとは直訳すれば「社会資本」ですが、分かりやすい言葉で言い換えるなら「ご近所の底力」。

人々がある課題に対して自発的に協働する力、これが農村地域においてどのように蓄積され機能しているか、またソーシャルキャピタルの蓄積と農村の資源保全活動との関連について研究しています。

農研機構(研究という仕事)を選んだ理由は

筑波大学院在院中に国立研究所出身の教官に勧められたのがきっかけでした。 試験採用で農林水産省北陸農業試験場に採用となり、農林水産省農業研究センター、独立行政法人農業工学研究所を経て、現在は農研機構 農村工学研究所所属となっています。

仕事の面白さややりがいについて教えてください

ヒヤリングやインタビューといったフィールド調査が基本の社会科学分野なので、理系分野と比べると一目瞭然な結果が出にくい地味なところもあります。ですが、現場で得た調査結果から論を組み立てて検証していく作業は、謎解きのような面白さがありますね。

調査で農村に暮らす様々な方にお会いするのですが、タフで懐が深い人が多く、話を伺う自分自身が試されていると感じることもあります。研究者としてだけではなく、人間としても幅の広い学びを受け取っていると思います。同時に、研究者である自分が調査に入ることで、現地も変わっていく。対等な立場 で、お互いに得るものがあるところに、やりがいを覚えます。

今後の仕事(研究)における夢は何ですか

今の経済学の視点だけでは計れない農村の価値を、研究というフィルターを通して明確に表現してみせることですね。農村が持っているかけがえのない 価値をみんな薄々と分かり始めてはいるけど、ストンと腑に落ちるようなものはまだない。農村の価値を計れる評価軸を持つことで、消費行動、ひいては幸せの 軸足が変わるかもしれません

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高齢化の進む集落で地域の宝物を探すワークショップに取り組みました。

女子学生・ポストドクターへのメッセージをお願いします

農村計画について研究するなら、本当にこの職場はおすすめです。様々な分野の研究者が揃い、刺激的な環境の中で研究を進めることができます。

仕事と家庭(生活)とのバランスについて、ご自身の考えや工夫されていること

私は就職の翌年に職場結婚をし、すぐに1人目の子を出産しました。これまでに4人の子を産み育てていますが、上司を始め先輩、同僚、とにかく皆さんに助けていただきました。女性の少ない職場ですが、育児に対して意識の高い男性職員が多いと感じます。

第1子の時はまず私が半年間育児休業をとり、その後の半年間を夫がとりました。当時、男性が育児休業を取るのはつくばでは初めてとか、そんな時代で したね。ですが、育児休業を取ってみて、自分には合わないと感じ、3人4人目の時は産休明けすぐに復帰しました。仕事をしたくなってしまう性分なんですよ ね。

保育園に育児は手伝ってもらい、育休を取らずにきっぱり復職するという選択肢もあるのかなと思います。その場合、信頼できる保育園があることが大前提ですね。 最近は学会発表の会場に託児室が設けられたり、仕事と育児の両立に関しては本当に環境が整ってきていると思いますよ。

(取材日:平成21年11月)