北海道農業研究センター

大規模家畜管理グループ

大規模家畜管理グループでは、酪農経営の収益性向上に向け、牛乳生産の省力化・低コスト化・高品質化を推進するため、エネルギー価の高い自給濃厚飼料の特性を活かせる高栄養・高タンパク質な牧草を効率的に利用する技術体系の確立を目指します。また、自給濃厚飼料生産、放牧・草地管理、泌乳平準化牛の周産期飼養管理、農業経営等に関連する他のグループとも連携し、地域活性化も視野に入れた高栄養牧草利用による高付加価値乳製品開発のための技術を構築します。

また、放牧・草地管理グループと連携し、オーチャードグラスやライグラス類を導入した牧草地の採草利用方法を検討し、乳牛の採食性が高いサイレージ等高品質粗飼料を生産し、牧草地からの乳生産性向上技術を体系化します。

放牧に関しては、酪農家が飼養する牛群頭数の拡大も視野に入れつつ、放牧管理の省力化や傾斜地放牧にも対応すべく、大面積をより少ない牧区数で効率的に搾乳牛を放牧するための研究を進めています。また、放牧された搾乳牛が食べる飼料と生産される乳の香り成分の関係を調べており、放牧地の牧草を食べた量に応じて牛乳中のジテルペノイド類、とくにphyt-1-eneの含量が高くなることを明らかにしました。さらに、牛乳の香りと人が感じるおいしさの関係についても現在研究を進めています。

さらに、高泌乳牛の周産期における健全性の高い飼養管理技術の開発に向け、飼料の種類や給与方法の管理が高泌乳牛の繁殖性に与える影響について研究を行います。

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