理事長メッセージ

農業を取り巻く経済・社会環境は今、大きく変わりつつあります。我が国では人口減少と超高齢化が急速に進み、国内市場の大幅な縮小、農業の担い手不足、地方の衰退が懸念されています。一方、グローバルでは2050年には人口が現在の77億人から97億人に増加すると予測されており、飢餓撲滅に向けた食料増産が求められているため、農産物・食品の輸出を拡大する大きなビジネスチャンスの到来と捉えることができます。また、パリ協定で合意した地球規模の気候変動に対応するため、温室効果ガスの排出削減は喫緊の課題となっています。

理事長 久間 和生
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農研機構の役割

このような中、農研機構は、

  • 農産物・食品の国内安定供給と自給率向上に貢献する
  • 農業・食品産業のグローバル競争力を強化し、我が国の経済成長に貢献する
  • 地球温暖化や自然災害への対応力を強化し、農業の生産性向上と地球環境保護を両立する

ことを目標として、農業・食品分野で科学技術イノベーションを創出します。

重点的に進める研究課題

農研機構は、総合科学技術イノベーション会議が「第5期科学技術基本計画」で掲げた超スマート社会「Society 5.0」の実現が、農業・食品分野における様々な国内外の課題を解決する鍵になると考えています。
そこで、「Society 5.0」の農業・食品版を早期に実現することを目指して、次の6つの研究開発を重点的に推進します。

  • 育種、生産、加工・流通にわたる全プロセスのスマート化の推進
  • スマートフードチェーンシステムの構築
  • バイオテクノロジーによる新素材・新機能の創出
  • ゼロエミッション型農業生産システムの構築
  • 農業基盤技術(ジーンバンク、高度解析基盤、食の安全・安心、病害虫、動物衛生、防災・減災等)
  • 先端基盤技術(人工知能、データ連携基盤、食品機能データ、IoT、ロボット等)

研究開発力の徹底強化

また、研究開発力の徹底強化のため、企画戦略機能の強化、人工知能やデータ基盤の徹底活用、農業界・産業界との連携やグローバル連携の強化、知的財産権と国際標準化活動の強化、農研機構のブランド力と研究者の存在感を高める戦略的な広報活動、多様な人材の確保と育成による人材力の強化などを強力に進めます。

農研機構のあるべき姿

私たちは、農研機構の役割を明確にし、目標を実現するために、

  • 産業界や農業界にとって頼りになる農研機構
  • 技術と知識・知恵に立脚した存在感のある農研機構
  • 関係機関との連携重視の農研機構(農研機構内部、行政、産業界、農業界、大学、研発法人、海外他)
  • 多様な人材が集まり育つ農研機構
  • 厳しくも明るい風土(ピリッと仕事・元気な職場)の農研機構

となるよう、役職員が一体となって取り組みます。