農業機械研究部門

緊プロ開発機のご紹介

たまねぎ調製装置

(2011年発表)

府県産たまねぎの調製作業を大幅省力化

  • 人力の2倍の能率で調製作業
  • 自動で精度良く根と葉の切り落とし

写真
たまねぎ調製装置(全体概要)

1.利用のメリット

コンテナ単位で投入された乾燥たまねぎを1玉ずつ分離し、向きを一定に揃え、根と葉の切り落としを1秒に1個程度の速度で行うことができ、府県産たまねぎの調製作業を大幅に省力化することが期待できる。

2.開発機の概要

  • 供給部、整列調製部、選別部、排出部から構成されており、AC100Vを電源としている。
  • 供給部には20kg容量のコンテナ2個分のたまねぎを貯留することができ、自動でたまねぎの供給が行える。たまねぎを整列させた後、1玉ずつ大きさを測定し、個々のたまねぎに適した高さで根の切断を行うとともに、一定の長さに葉を切り揃えることができる。
  • 出荷可能状態に調製されるたまねぎの割合は86%程度で、機械的損傷はほとんど発生しない。1秒に1個程度の速度でたまねぎの根と葉を切り落とすことができ、2名1組で作業を行った場合、腐敗球の除去、調製が不十分であったものの手直しを含め、手作業の2倍程度に相当する1700個/人・h程度を処理できる。

3.活用上の留意点

  • 開発機は、貯蔵乾燥されたたまねぎを対象とした構造のため、十分に乾燥が進んでいない青切りたまねぎを調製した場合、玉の部分に傷が付く恐れがある。
  • 選別部、排出部は、利用する収納容器等によって構造、寸法を検討する必要がある。

4.共同研究実施会社

株式会社クボタ、松山株式会社

5.主要諸元・構造

供給部、整列調製部、選別部、排出部から構成されており、AC100Vを電源としている。供給部には20kg容量のコンテナ2個分のたまねぎを貯留することができ、自動でたまねぎの供給が行える。たまねぎを整列させた後、1玉ずつ大きさを測定し、個々のたまねぎに適した高さで根の切断を行うとともに、一定の長さに葉を切り揃えることができる。

表 主要諸元図 2名1組での作業(左:供給部へのたまねぎの補給、右:選別部での作業)図3 調製前後のたまねぎ(品種「ターザン」)、図4 作業能率

6.作業性能

  • 府県産の乾燥たまねぎの主力品種である「ターザン」を供試して性能試験を行った結果、出荷可能状態に切断されたていた割合は86%程度で、機械的損傷はほとんど発生しなかった。
  • 1秒に1個程度の速度でたまねぎの根と葉を切断でき、2名1組で作業を行った場合、腐敗球の除去、調製が不十分であったものの処理を含め、手作業の2倍程度に相当する1700個/人・h程度のたまねぎを処理できた。

(試験場所:佐賀県白石町JAさがたまねぎ選果場)