九州沖縄農業研究センター

スクミリンゴガイ

ジャンボタニシ除草

スクミリンゴガイの分布地域では、この貝を水田雑草の除草に用いる農家が増えています。この貝の除草効果はかなり高く、ほとんどすべての雑草を食べてしまうので、スクミがいれば除草剤を全く用いなくてよいという農家もあります。

すでにスクミが分布している場所で、除草のためにこの貝を活用することには、除草剤の削減という大きなメリットがあります。しかし、何といってもこの貝は、稲やレンコンなど農作物を食い荒らす有害動物です。未発生地の水田に貝を放すと、それらの貝が近くの水田や水路に広がることは必至ですし、水管理がうまく行かない水田では稲に被害を及ぼす可能性があります。また、貝防除のための農薬散布による環境負荷や希少な水生生物への影響も計り知れないものがあります。こういった影響は貝を根絶しない限り続きますが、現状では広まってしまった貝を根絶することはほぼ不可能です。新たな場所に貝を放すことは、絶対に止めて下さい。