九州沖縄農業研究センター

所長室から 所長就任挨拶

ide_2019_04ds.jpg 2019年4月、農研機構九州沖縄農業研究センター所長に着任いたしました。就任にあたり、一言ご挨拶申し上げます。

2016年4月に発生した熊本地震から3年が経過しました。翌2017年7月、九州北部豪雨に見舞われてから2年を迎えようとしています。関係者のご尽力により、復旧・復興が進んでいるものの、被災地には、まだ、その爪痕が深く刻まれています。被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

農研機構九州沖縄農業研究センターは、これまで、九州沖縄地域の農業・食品産業の振興に貢献するため、当地域の特色に適応した新たな技術や品種の開発とその普及に努めて参りました。最近では、1)規模拡大に対応した水田・畑輪作体系や施設園芸技術の開発、2)畜産・飼料作の地域内分業生産システムの開発、3)地域に適したマーケットイン型新品種の開発、4)温暖化対応等の持続的な農業技術の開発に取り組んでいます。温暖化対応の水稲品種「にこまる」や「きぬむすめ」、甘くてしっとりとした食感が人気のサツマイモ「べにはるか」、省力栽培が可能で日持ち・輸送性に優れるイチゴ「恋みのり」など、皆様が目にされる機会も増えてきたのではないかと思います。

さて、2019年4月から、農林水産省によるスマート農業加速化実証プロジェクトが始まり、九州沖縄地域では、16の実証プロジェクトが展開されることとなりました。高齢化や労働力不足が進む中で、スマート農業への期待は大きく、本プロジェクトを通じて、生産現場で早く使って頂けるよう実証を加速させていくため、当所も関係機関と連携しながら、全力でこのプロジェクトを推進して参ります。

また、農研機構は、農業・食品分野の「Society5.0」の早期実現を目指して、「輸出も含めたスマートフードチェンの構築」を重点課題として推進することとし、2019年1月に、九州沖縄経済圏スマートフードチェーン研究会を創設しました。課題解決のための技術開発に向けて、具体的なプロジェクト研究を立ち上げて、推進する計画です。農産物の「育種-生産-一次加工-流通・二次加工-消費」の全過程を見据えながら各段階それぞれの要素技術を開発するとともに、IoTの活用、ビッグデータ形成、AI解析などの情報通信技術で各段階をつなぎ、国内外の食品市場のニーズなどに応えることができるスマートフードチェーンシステムを構築するために、当所も、農業界や産業界と密接に連携しながら研究を進めて参ります。

九州沖縄農業研究センターは、こうした活動を通じて、皆様に頼りにして頂ける研究機関を目指して参りますので、一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

令和元年5月
(国研)農研機構 九州沖縄農業研究センター
所長 井手 任