食品研究部門

ヘルスケア食グループ

人間にとって毎日の食事は、単なる栄養補給を超えて、楽しみをもたらし健康維持・増進に役立ちます。このうち、健康に関して言えば、軽度不調(睡眠不足やストレスが引き起こす心身不調)は、健康と疾患の間にある複数の自覚症状を指し、放置すると疾患になる可能性が高いのですが、食事介入などで健康状態に戻れる可能性があります。
農研機構ではこれまでに機能性成分が豊富な農産物の開発を行ってきました。そこで私たちのグループでは、まず、継続して収集した個人の健康情報(心拍数や睡眠記録など)と食品に含まれる機能性成分の関係を明らかにし、続いて、栄養・健康機能性に優れた野菜などを活用して軽度不調を改善するパーソナルヘルスケア食(個人の健康づくりための食事)を開発します。さらに、ヘルスケア食を自身の食事の中に取り入れて体調管理を行う食によるセルフケアモデルを、自治体や民間企業と連携して社会実装化を進めていきます。このような体調・体質に応じた食のデザインを通じて、健康長寿社会の実現とヘルスケア産業の市場拡大に貢献します。

セルフケア食の一例
(ご飯:もち麦ご飯(キラリモチ)、おかず:ほうれん草オムレツ きのこあん、ブロッコリーと蓮根のガーリック炒め、プチトマトのこんがりチーズ、600 kcal、食塩相当量1.6g)
例として、キラリモチに含まれるβ―グルカンが食後血糖値の上昇をおだやかにすることが報告されています。

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