生物機能利用研究部門

遺伝子組換え作物の栽培実験

令和元年度シンク能改変イネの栽培管理及び交雑調査結果について

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は、観音台第1事業場高機能隔離圃場において令和元年5月8日(水曜日)及び5月23日(木曜日)に田植えを行い、シンク能改変イネの第一種使用等(※)による栽培を行ってきました。

この度栽培を終了しましたので、種子等の拡散防止措置、花粉飛散による交雑調査及び収穫以降の処理等に関してお知らせします。

なお、第1種使用規程承認組換え作物栽培実験指針に基づき実施したモニタリング措置による交雑調査の結果、交雑粒は見つからなかったことをお知らせします。

第一種使用等:「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」に基づいた開放系(水田)での使用

種子等の拡散防止措置

  • 防鳥網設置
    令和元年5月8日(水曜日) *水田2、6
    令和元年5月23日(木曜日) *水田1
  • 防鳥網撤去
    令和元年11月7日(木曜日) *水田1、2、6
*観音台第1事業場高機能隔離圃場内水田の位置は、別紙_配置図のとおりです。

収穫以降の処理

  • 収穫(稲刈り)及び脱穀令和元年11月7日(木曜日)
    • 稲刈り後直ぐに脱穀し、隔離ほ場内の作業棟内において乾燥機により乾燥しました。また、系統ごとに生育・収量調査等を行うイネ株は、9月24日(火曜日)から11月7日(木曜日)の間に、イネの生育状況等を確認しながら順次収穫を行い、隔離ほ場内乾燥舎において自然乾燥させました。
    • 収穫物は有望系統を選抜するための調査のために使用します。また、密閉容器等に入れ、他の種子と区別して実験室の冷蔵庫等に保管しています。
  • 残渣処理令和元年11月7日(木曜日)
    • 残渣(ワラ等)は、不活化処理のため、隔離ほ場水田内で裁断し、地下部とともに、隔離ほ場水田内に鋤込み処理しました。また、調査等に使用しない籾は焼却処理しました。

交雑調査

  • 調査方法(モニタリング用指標作物配置期間 令和元年7月30日(火曜日)~9月18日(水曜日))
    • 隔離ほ場を囲むように敷地境界等4箇所に開花期が重複する指標作物「モチミノリ」等を植えたポットを設置しました。
  • 調査結果
    • 指標作物から収穫した種子10,951粒を調査した結果、キセニア現象を生じていたものは0粒で、交雑は認められませんでした。