畜産研究部門

繁殖性向上ユニット

分娩直後で胎盤排出前の黒毛和種の親子

近年、酪農や肥育素牛生産の現場では、多頭化により繁殖管理に関わる労働負荷が増大し、受胎率の低下や分娩間隔の延長等による生産基盤の弱体化が進んでいます。繁殖性向上ユニットでは、これらの問題を解決し、健全な生産体系を構築するため、以下の課題を実施しています。

  • 温度や加速度、電気抵抗値などをモニターするセンシング技術を活用して、発情や分娩時刻を予測する精密繁殖管理システムを開発し、繁殖成績向上と繁殖管理軽労化の両立を図ります。特に、分娩事故は、子牛の損耗に加え繁殖機能回復の遅延による分娩間隔延長の原因ともなっていることから、分娩時刻の正確な予測と通常の労働時間内での分娩は、酪農家、肉牛繁殖農家を問わず、強く要望されています。そこで本課題では、分娩予測と昼間分娩誘導とを組合せ、無理なく適切な分娩介護ができる分娩管理システムの開発を目指しています。
  • 生殖に関わる内分泌制御軸(視床下部-下垂体-性腺軸とも呼ばれ、それぞれの器官から分泌されるホルモンが、標的となる器官を刺激あるいは抑制して生殖機能を調節する仕組み)を中枢から制御することにより、家畜の受胎率が向上するような技術を開発します。具体的には、生殖中枢にあるキスペプチンニューロンの活動を制御することにより、卵巣内の卵胞発育や受精後の胚発生能を向上させることを目指しています。
  • 血液分析や子宮内膜の機能評価による受胎性評価技術を開発し、子宮環境の改善による受胎率向上技術を開発します。妊娠初期には胚と子宮が相互に情報を交換し、連携することによって着床が成立します。そこで本課題では、着床成立に向けた子宮の機能変化に着目し、その過程を明らかにするとともに、血液分析や細胞診によって子宮の状況を判定し、妊娠しにくい個体にはその機能を活性化する処置を行い、子宮内の環境を改善することにより受胎率の向上を目指します。

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