畜産研究部門

精密栄養管理ユニット

代謝試験装置といって、酸素や二酸化炭素、メタンなどのガスを採取できます。この中にウシが入り飼料を摂取し、出てきた糞尿や乳量を測定し、ガスを量ることにより、エネルギー出納を測定できます。

市場のグローバル化が進みつつある現在、我が国の畜産業においては競争力強化のために、動物個体レベルでの生産効率改善が不可欠です。一方、輸入飼料価格の高騰が続き、国産飼料の生産・利用の拡大が推進される中、新たな自給飼料の利用性や、給与メニューの改善による飼料利用効率の向上も強く求められています。

人間は食物を摂取し、それらを消化・吸収・代謝して、身体を動かすエネルギーを得て体温を維持します。家畜の場合も同様に、飼料を摂取し、消化・吸収・代謝することにより、乳や肉などを生産します。その生産の過程では、糞や尿を排せつし、反すう家畜の場合はメタンも排出します。このように摂取した栄養素は各部位で利用されますが、生産へ配分される割合は家畜の状態(成長、泌乳、肥育)や環境条件(寒冷、暑熱)によって異なるため、それぞれの条件での栄養要求量を求めることが重要になります。また、飼料として同じ量を食べたとしても、その種類や組み合わせによっても、家畜が利用できる栄養素の「量」は変わってきますので、栄養含量や消化管での分解の様相など、それぞれの飼料の持つ特性について明らかにすることも必要です。

精密栄養管理ユニットでは、栄養素の消化・吸収をできるだけ高め、乳肉生産の効率をあげるような精密栄養管理技術を開発するため、主にウシを対象とし下記のような研究に取り組んでいます。

  • ウシの体での栄養素の出納や消化管発酵等からそれぞれのステージ(成長、泌乳、肥育)のウシに最適な既存の飼料の組み合わせを探ります。
  • 新たに開発された自給粗飼料や新規飼料を乳牛や肉牛に給与し、その特性を明らかにし、効率的な給与技術を開発します。

これらの研究で得られた成果の一部は、日本飼養標準(乳牛、肉牛)や日本標準飼料成分表に反映されています。


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