畜産研究部門

大気環境ユニット

低蛋白質飼料給与養豚および慣行養豚のLCAによる環境評価

大気環境ユニットでは、環境に負荷をかけない畜産業の発展のために、家畜排せつ物の処理過程から発生する悪臭や温室効果ガスなどの環境負荷ガスの発生把握とその制御技術の確立、ならびに、生産と環境の調和を図るうえで必要となる評価手法の確立に向けた研究・開発を行っています。

家畜ふんは堆肥化することで良質な有機肥料に変換できますが、堆肥化過程では悪臭の原因となるアンモニアや強力な温室効果ガスである一酸化二窒素といった様々な環境負荷ガスが発生することから、これらのガスの発生量を少なくするための研究を進めています。

堆肥化過程で発生するアンモニアを主体とした悪臭の処理方法の一つに、生物脱臭法があります。生物脱臭法は、堆肥化施設から捕集したガスなどを微生物が棲息している脱臭資材に通し、脱臭資材への吸着や溶解に加え、微生物の分解により臭気を除去する方法です。アンモニアの処理では、装置内に窒素が蓄積するため、脱臭資材の交換あるいは窒素含有排水の処理が必要となり畜産農家の大きな負担となっています。そこで私達は、生物脱臭装置内のアンモニアを処理する硝化および脱窒微生物群に注目し、装置内の挙動について研究を行うとともに、窒素除去能を高めるための装置の制御方法や、運転条件の解明に取り組んでいます。

畜産は複雑なシステムであり、飼料畑・草地から得られる飼料に始まり、家畜の飼養を経てそのふん尿は適切に処理された後にまた土に戻ります。従って、上記のような悪臭や温室効果ガスの削減など環境負荷低減技術の導入は、そのような畜産のライフサイクルの別の場所に影響を及ぼす場合があります。そこで、ライフサイクルアセスメント (LCA)等の手法を用いて、畜産システム全体の環境負荷を減らすための研究を進めています。また、国内のみならず東南アジアなどの海外においても、現地研究機関等に協力して環境に優しい畜産の発展を目指した研究を行っています。


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