畜産研究部門

乳牛繁殖性向上グループ

乳牛繁殖性向上グループは、ウシ受精卵の大量供給と受胎率改善によるウシの増頭・増産に貢献するために、精子評価および受精卵の効率的生産・選別による受胎率向上技術の開発に取り組んでいます。精子評価については、受胎性の低い凍結精液を選別するために、DNAのエピゲノム情報や運動性など精子の様々な評価データによって受胎性を予測する技術の開発を行っています。また、卵子の大量供給については、卵巣内の卵子の「もと」である卵母細胞の利用を拡大するために、マウス卵子大量生産成功により蓄積してきた卵子形成培養技術をウシに適用し、今まで利用不可能であった二次卵胞内の発育途上卵母細胞からウシ受精卵を作出する技術の開発を行っています。卵管細胞を培養した上澄み液(馴化培地)によって高受胎性が見込まれる体外受精卵の増加を確認し、特許出願するなど、受胎性の高い受精卵をより多く生産する培養技術や、選別する技術の開発も行っています。
このようにして、受胎性の高い和牛受精卵の大量生産技術による、乳牛への受精卵移植における受胎率向上技術の提供をめざします。

(左)ウシ精子.赤(PI染色) と緑(FITC-PNA染色)はそれぞれ死滅精子と先体反応・損傷精子
(右)ウシ胚盤胞.DNAをヘキスト染色(青)

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