畜産研究部門

水環境ユニット

(左)培養前のBODセンサーの電極
(右)電極に付着して発電(電極呼吸)している細菌群

水環境ユニットは、家畜飼養に伴って発生する汚水を研究対象に、周辺水域の保全に必要な技術の開発と、畜産農家へのよりよい管理システム普及をサポートする研究単位です。浄化効率の高い畜産汚水処理技術の開発、家畜ふん尿中有機物のエネルギー回収・利用技術開発に加え、汚水処理過程で発生する温室効果ガスの排出抑制にも取り組んでいます。

家畜のふん尿は、「家畜排せつ物の利用の促進を図るための基本方針」(平成27年3月農林水産省)に基づき実用的かつ効果的な汚水処理技術の開発推進が要請されており、特に、養豚農家の排水処理施設の性能向上と低コスト効率化が求められています。

この要請に応えるべく、以下の3本の研究課題に取り組んでいます。

  • 新素材(アルカリ凝集資材や硫黄資材等)を活用して、農家の既設浄化施設での処理効果や管理の容易性を向上させる方法を検討し、実施設への導入方策を検討する。
  • 発電細菌を利用して、従来不可能であったBODのリアルタイムモニタリング技術を開発して、厳格な処理水の水質管理、および曝気量を適切に制御して窒素を高効率で除去する高度排水浄化システムを開発する。
  • モデル解析による活性汚泥浄化処理システムの最適管理手法の開発を行うとともに、窒素の浄化に関わる新たな微生物反応(アナモックス反応など)による効率的な処理システムを開発する。

さらに、温室効果ガス抑制型の汚水浄化処理システムとして、炭素繊維を微生物担体とした浄化処理システムを提案し、この実証研究にも取り組みを広げています。

淡水は貴重な資源です。家畜生産を含む食料生産のための農業には淡水が必要です。限りのある淡水をうまく使い、使った淡水をきれいにして返す。汚水の浄化処理技術は、持続可能な畜産業の重要な構成要素です。


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