畜産研究部門

食肉品質ユニット

牛肉の大規模な消費者嗜好試験の準備風景。牛肉の形や試食順序などの影響が無いよう、細かく条件を設定します。

食肉品質ユニットでは、食肉の品質を「はかる」研究を行っています。食肉の品質を「はかる」目的は3つあります。1つ目は、食肉のおいしさなどの「見えない」品質を「見える」数値や文字情報などで表し、適正に価格に反映させるためです。現在でも、食肉は格付と呼ばれる基準に沿って評価され卸売価格に反映されていますが、より客観的で、消費者や加工業者などのニーズに即した評価が必要です。2つ目は、生産者が自ら生産した食肉の品質を知り、品質改善や、維持管理を行うためです。現在、わが国の畜産業はよりいっそうの国際競争力を持つことが求められています。このため、客観的な基準に基づく品質の改善や、ブランド維持のために品質が一定の範囲内に収まるよう管理することが必要です。3つ目は、食肉の品質を消費者にわかりやすく伝えるためです。一般の小売店舗では、精肉などに品質が表示されていることはほとんどありません。消費者が自分にとって購入したいと思う食肉を適正に選ぶことができるようにするためには、食肉の品質を客観的に「はかり」、わかりやすく消費者に伝えることが必要です。

これらの目的を達成するために、食肉品質ユニットでは、大きくわけて2つの研究を進めています。第一に、食肉の品質の「何をはかればよいのか」「どのようにはかればよいのか」という、品質の測定や評価技術に関する研究です。具体的には、消費者に対するアンケートや嗜好調査を通じて消費者のニーズにあった評価項目を明らかにするとともに、ヒトが実際に食べて品質を測定する官能評価や通常の理化学分析、「光をあてるだけ」で食肉の品質情報を測定する分光技術を活用して、新しい評価技術や評価の枠組みを開発しようとしています。第二に、新しい家畜品種や飼養技術で生産された食肉が「どのような品質であるか」「なぜ、そのような品質となるのか」という、食肉の品質やそのメカニズムを解明する研究です。上記の品質評価手法の他に生物科学的な方法なども活用し、品質のさらなる改善やその特徴の活用技術について、家畜の育種や生産の分野と連携しながら研究を進めています。

これらを通じて、国産食肉をさらに高品質化し、生産者や流通業者の努力や工夫が報われ、かつ消費者が納得してお金を出すことができるような国産食肉の生産や流通が達成されることが、本ユニットの研究が目指すゴールです。


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