畜産研究部門

栽培技術ユニット

サイレージ用トウモロコシの湿害を軽減するための耕うん同時畝立て播種の現地試験

栽培技術ユニットでは、飼料用トウモロコシを始めとする高栄養飼料作物の安定多収・省力栽培技術の開発により、畜産経営における飼料費の節減に貢献することを目標としています。関東地域等の温暖地における基幹的な作付体系である二毛作体系(夏作としてトウモロコシ、ソルガム類、冬作としてイタリアンライグラス、飼料用ムギ類を利用)を主な研究対象とし、安定多収、生産コスト低減及び省力化を可能にする栽培技術の開発を行っています。安定多収栽培技術については、サイレージ用トウモロコシ等の飼料作物について、栄養収量や病害抵抗性に優れた品種を選定するとともに、安定多収が得られる作期や栽植密度の解明を行っています。また、排水不良圃場における安定栽培を目指し、耕うん同時畝立て播種等を活用した湿害軽減技術の体系化を行っています。サイレージ用トウモロコシ等の生産コスト低減技術として、土壌養分と堆肥を有効活用することで、化学肥料の施用量の削減と安定多収を両立可能な新たな施肥体系の開発を進めています。サイレージ用トウモロコシの省力播種技術である不耕起播種機とディスクハローを組み合わせた簡易耕播種技術を安定的に行うための施肥方法や雑草防除法の検討を行っています。また、自給飼料の高品質化に向けて、スーダングラスやイタリアンライグラスの硝酸態窒素やカリウムの低減に育種的なアプローチで取り組んでいます。さらに、近年、国内におけるトウモロコシ子実生産に関する現場ニーズが高まっていることから、温暖地における子実生産に適した飼料用トウモロコシ品種の選定を行っています。これらの技術について生産現場における有効性の確認を行いながら、各技術の普及を進める取り組みを行っています。

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