中央農業研究センター

土壌診断グループ

土壌中の養分の過不足や土壌硬度、排水不良は作物の生育に影響を及ぼすので、適正な施肥や土壌管理により、土壌を良好な状態に保つ必要があります。そのためには、それぞれの圃場の状態を把握するための土壌の化学性や物理性の診断をすることが重要です。これまで、本研究グループでは都道府県施肥基準やその関連資料に基づいて、施肥基準、減肥基準、有機物施用基準、土壌診断基準のデータベースを作成したほか、現場対応型診断法として畑土壌可給態窒素および可給態リン酸の簡易・迅速評価法の開発を行ってきました。また、土壌管理が環境負荷物質の発生に及ぼす影響を解明するために、露地野菜のマルチ被覆栽培におけるポリマルチ透過による一酸化二窒素発生量の把握手法の開発などを行いました。現在は、水田土壌の窒素やリン酸の肥沃度の指標となる可給態窒素や可給態リン酸を簡易、迅速に判定する方法の開発に取り組んでいます。また、ジャガイモそうか病の発生に関係する土壌酸度を従来に比べて簡便に評価する手法の開発を行っています。土壌の物理性については、コアサンプラ・貫入式土壌硬度計などの機器類や航空写真などを活用して排水性などを面的に評価する研究を行っています。これらの研究は、プロジェクトなどで公設試験場と連携して進行しているほか、生産者の現地圃場も対象として実施しています。土壌の化学性や物理性を測定する一般的な機器類は、本研究グループないし土壌肥料研究領域の共有物として整備されており、土壌診断や土壌診断に基づく施肥や土壌管理に関心をお持ちの方々との連携を歓迎します。

メンバー

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