食品研究部門

酵素機能ユニット

役割

酵素とは、生体内の化学反応を促進する触媒として作用する蛋白質の総称です。このような酵素は産業でも多く利用されており、身近に酵素を利用した製品が多数あります。例えば、多くの缶飲料の表示には、「果糖ブドウ糖液糖」とありますが、これはデンプンに複数の酵素を作用させて製造した甘味料です。果糖ブドウ糖液糖の製造で使用されている酵素-グルコースイソメラーゼ-は、50年近く前に世界に先駆け、当ユニットの前身となる研究室で発見されたものです。この他、酵素は洗濯用洗剤や医薬品などにも使われています。 私たちの酵素機能ユニットでは酵素などの生体機能を利用して食品産業に役立てることを目指した研究を行っています。

主な研究テーマ

ミルクオリゴ糖製造技術の開発

母乳栄養乳児の腸内にはビフィズス菌が出生後1週間程度で定着することが知られています。私たちは母乳に含まれるミルクオリゴ糖に含まれる構造の二糖であるラクト-N-ビオースI(LNB)がビフィズス菌増殖因子として作用していることを発見しました。そこで、食品として使用可能なLNBの製造技術の開発を行っております。

(図)ラクト-N-ビオース(LNB)の製造法
母乳に含まれるビフィズス菌増殖因子と推定されるオリゴ糖であるラクト-N-ビオース(LNB)の製造法

・新規な生物機能利用技術の開発

生物機能を利用した新たな技術の開発を目指して、微生物等の代謝機能や生体分子などの機能解明に向けた研究と、それらの知見に基づく新規な機能性油脂の製造技術、汎用的オリゴ糖製造技術等について研究を進めています。

メンバー

上級研究員

西本 完 (にしもと まもる)/専門:酵素利用学

研究員

町田 峻太郎(まちだ しゅんたろう)

主要成果

こちらをご覧ください。