生物機能利用研究部門

機能利用開発グループ

機能利用開発グループでは、生体関連物質や生物の特殊な機能に着目し、それらを高度に利活用する研究に取り組んでいます。
コラーゲンビトリゲル®は、生体内の結合組織に匹敵する高密度コラーゲン線維網で構成される新素材で、透明性のみならず強度や高分子タンパク質の透過性にも優れています。細胞の培養担体、あるいは薬剤の徐放などに活用できることから、再生医療、創薬および動物実験代替法などの分野での実用化が期待されています。ビトリゲルは従来のハイドロゲルをガラス化した後に、再水和して得られる安定した状態にあるゲルのことで、農研機構は「ビトリゲル」を商標登録しています。
ネムリユスリカの幼虫はカラカラに干からびても、再水和によって生命活動を取り戻すことができる機能を持った生物です。この特殊な分子メカニズムを明らかにするため、ゲノム概要解読を進め、ネムリユスリカ特有の遺伝子構造が明らかになりました。得られた知見の中から乾燥耐性たらしめる遺伝子を特定し、その因子を活用した生物試料(例えば食品用酵素や生ワクチン、家畜の卵細胞など)の新規の常温保存技術の開発を進めています。

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