野菜花き研究部門

ゲノム遺伝育種ユニット

DNAマーカーを利用して開発された萎凋細菌病抵抗性カーネーション品種「花恋ルージュ」

花きでは、新規性のある花色を有する品種に対する消費者からの要望は高く、また花を長く楽しむことができるよう日持ちが良いことも求められています。そのため、新たな花色を有する品種や良日持ち性品種の開発により花きの消費拡大が期待されます。さらに、生産現場からは花きの安定生産のため計画的な栽培に適する開花特性や病害に対する抵抗性を有する品種などが望まれています。近年、多くの作物でゲノム情報を活用した有用形質の制御機構の解明や、さらにDNAマーカーの開発など品種改良を効率的に行うための育種技術の開発が進められていますが、花きにおいてはそれらの技術の開発は必ずしも進んではおりません。
ゲノム遺伝育種ユニットでは、花きにおいて重要な形質の改良に向けた育種の推進に貢献するため、ゲノム情報を活用して重要形質に関する遺伝子領域や制御機構を明らかにするとともに、DNAマーカーの開発など育種技術を開発します。特に、キクやカーネーションについては基盤となる連鎖地図の作成やゲノム情報の整備を進めます。また、キクでは早晩生、カーネーションでは日持ち性などの形質に連鎖したDNAマーカーの開発を行います。また、カーネーションでは、日本において重要な土壌病害である萎凋細菌病に対する抵抗性や日持ちの良い品種・系統を育成を目指します。さらに、花色については、カロテノイドなど色素の制御機構を遺伝子レベル・分子レベルで解明し、花色制御技術の開発につなげていきます。


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