農作業安全コラム

秋の夕暮れに150mの余裕

H15年10月 菊池 豊

 秋が深まるこの頃、夕方暗くなるのが早くなってきています。気象庁によると、8月に比べ40分位日の入りが早まっています。

 ところで、農作業が終わって家に帰る途中、農業機械に接触しそうになった経験はありませんでしょうか?実際に、路上での自動車と農業機械事故が増えています。

 前方の農業機械に気付いたら、避けるか、安全な距離をとるのが基本ですが、どれくらい前に気付けばよいのでしょうか? 通常、車間距離は走行速度を参考にとるのが基本です。例えば、時速60km/hの場合には、60mと言われています。それで、60mまで大丈夫と思うのは大間違い、4秒しか時間がありません。マークを見つけ、ブレーキを踏むまでに、1秒はかかり、かなり危険なことが分かります。

 さて、自動車の運転手が遠くから農業機械を見つけてもらい事故を予防するために、「低速車マーク 外部リンク 」というものが開発されています。

 「低速車マーク」は、150mの距離を隔てても識別できるように作られています。150mは、時速60km/hでは約9秒かかる距離です。

 ちょうど9月~10月上旬は、天気も不安定で農作業に追われがちです。心と車間に余裕をもって安全運転に努めたいものです。

 

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