農作業安全コラム

そろそろ春作業の準備を -バッテリの爆発事故に気をつけよう

H15年2月 石川 文武

 立春を迎えたとはいえ、「春は名のみの~」と歌われているように、日射しが強くなってくる半面、寒さはまだ続きそうです。木々の芽が少しずつ膨らんで新しい季節への活動を開始しているのと同様に、農業も春作業の準備に着手する時期になります。

 春作業が順調に進むよう、点検から始めましょう。ほとんどの機械に搭載されているバッテリのメンテナンスで気をつけていただきたいことがあります。以下の項目をチェックして、安全な充電作業を行ってください。

  1. バッテリ液の量と比重:
     バッテリの外側に記されている液の上限と下限の間にあれば、とりあえず液の比重を測ります。適正な範囲であれば充電します。
  2. 適正でない場合:
     量が少ない場合、
    1. 電極が露出していない→バッテリ補充液を注入する(セルの外にこぼさないようにする)→充電する
    2. 電極が露出している→電極の一部が変質している可能性があります、バッテリごと交換しましょう。このままバッテリ液を補充して充電すると爆発の可能性があります。
  3. 適正でない場合:
     比重が足りない場合、バッテリ補充液を追加するだけでは表面的な充電だけで長時間の使用には無理です。ガソリンスタンドなどで点検充電してもらいましょう。
  4. 充電に際して:
     液や比重が適正でも、バッテリの形が変形している(膨らんでいる)物は交換しましょう。換気できる場所で行う。バッテリを機械から取りはずす時は腰を傷めないような姿勢で行う。セルのふたを少しゆるめる(充電終了後はしっかりしめる)。充電器によっては過充電するものもある。水素ガスが発生しているので、裸火を近づけない。静電気は別のところで放電してから、充電場所に近づく。

 

キーワード:安全装置・対策/点検・整備・清掃
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