農作業安全コラム

活躍するドクターヘリ

H16年12月 石川 文武

 9月以降、浜松と安城へ出かける機会があった。両者に共通することは、「ドクターヘリ」が運用されており、救急救命活動をしていることである。

 不幸にして事故が起ったとき、一般的には、地元の救急隊に連絡をし、救急車で病院に搬送してもらい手当をしてもらう。しかし、救急車での搬送に30分以上かかるような場所であったり、救急隊だけでは事故者を容易に搬出できなかったりする場合には、ドクターヘリの出動を要請し、医師と看護師が適切な処置をしつつ、現場から搬出・移送を行うシステムがある。もちろん、ヘリコプターはどこでも離着陸できないので、事故現場から離れた地域に着陸し、そこから徒歩や車で現場に急ぐこととなる。

 農作業事故の場合、機械の部品が体にくい込む事例が多く、事故者へ影響を与えないようにしながら、機械を分解して搬出することもある。現場で人間から部品を取外すと大量出血につながる恐れがあるので、くい込んだ部品と人間をはなすのは病院についてからである。

 このようにドクターヘリが活躍し、多くの命を救っている。農作業事故だけでなく、交通事故等での救急にも出動している。できることなら、救急隊のお世話にならないような安全作業をしたいが、不幸にして事故が発生したら、貴重な助っ人である。願わくば全国にくまなく配置されることが良いが、すぐにとは行かないようである。

 

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