農作業安全コラム

「当たり前」の難しさ

H28年11月 松本 将大

 最近、とある試験の被験者をした際、背筋の筋電図を測定する機会がありました。この試験では、最初と最後に脱力した状態を測定するのですが、私自身が脱力してリラックスしていると感じていても、実際のデータを見てみると力が入っており測定が上手くいかないといったケースが見られました。ここでおもしろいのが、私自身どうにかリラックスしようといろいろと体の姿勢を変化させているうちに、私が辛いと思っている体勢が実はリラックスしている状態にあったということです。

 このことから、農作業においても普段当たり前に行っている動作が実は体に負荷がかかっている=事故リスクが高い動作になっているのかもしれません。自分が当たり前に思っていることが実は危険を含んでいる、とても怖いことだと思いませんか?事故だけでなく、こういったことを防ぐためにも、集団作業での声かけや講習の受講、定期的な農機具の取り扱い説明書の読み直し等を行うことをお勧めいたします。


 

キーワード:事故/安全装置・対策/研究
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