【ポイント1】 歩行用トラクターの後進時クラッチ操作は、ゆっくり |
《なぜ》
- 後進する時にはハンドルが持ち上がりやすく、挟まれや巻き込まれの原因になります。これらは、歩トラの事故件数の上位を占めています。慎重に操作しましょう。
《対策ポイント》
- 後進時は、エンジン回転を極力下げ、ハンドルをしっかり押さえながら、ゆっくりとクラッチをつなぎます。
- 前後進の設定ミスにより、前進のつもりが後進してくる場合もあり得るので、前進時にもゆっくりつなぐことを心がけます。
《追加のヒント》
- 衝突や挟まれの恐れがあるので、後方の立木、支柱、誘引ワイヤーなどの障害物の周りは余裕ある距離を保つようにします。
- 旋回は、周囲や足元を確認しながら行います。
《ヒヤリ、事故》
- 後退しようとした時、アクセルを下げずにクラッチを入れたら、ハンドルが跳ね上り後ろの土手に挟まれそうになった。
- ほ場のすみで方向転換中、バックでハンドルが跳ね上り、クラッチレバーに届かずどんどん押されてしまい、ロータリに巻込まれそうになった。
- 耕うん終了後、道路でギヤチェンジをしたが、うまく入らずバックしてきた。下敷になりそうだった。
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【ポイント2】 歩行用トラクターの後進時は、障害物に注意 |
《なぜ》
- 後進時の挟まれは、歩トラの事故原因の上位を占めています。慎重に操作しましょう。
《対策ポイント》
- 衝突や挟まれの恐れがあるので、後方の立木、支柱、誘引ワイヤーなどの障害物の周りでは余裕ある距離を保つようにします。
- 旋回は、周囲や足元を確認しながら行います。
- 畦畔ぎわも余裕ある回行スペースをとるようにします。

《追加のヒント》
- 用意に手の届く位置に緊急停止装置がある機械や、ハンドルから手を離すとクラッチが切れるデッドマン式クラッチ、挟まれを感知すると機械が停止する挟圧防止装置の付いた機械を使用しましょう。
- 緊急時に上記の安全装置を使えるよう、日ごろから確認、練習をしておきましょう。
《ヒヤリ、事故》
- 畑を耕うん中、バックの際にリンゴの木と機械の間に挟まり、ろっ骨が1本折れた。
- バック時に後ろの電柱と機械の間にはさまれそうになった。
- ハウス内で耕うん中、歩行用トラクターをバックさせて、ハウスパイプと歩行用トラクターの間に挟まれた。
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【ポイント3】 トレーラー付き歩トラはジャックナイフに注意 |
《なぜ》
- 歩行用トラクターでトレーラーをけん引している時に、急旋回するとジャックナイフ現象が起こり、転倒することがあり危険です。
ジャックナイフ現象:ジャックナイフを折り畳んだように、けん引車輌と被けん引車輌の間の角度が極端に折れ曲がること。走行しにくくなったり転倒したりする危険性がある。
《対策ポイント》
- 極力緩やかに旋回するように、速度を下げ、ハンドル操作します。
- 走行中は操向クラッチの操作ではなく、ハンドル操作で旋回します。
- 下り坂でのジャックナイフ現象を防ぐため、急ブレーキ・変速を避け、エンジンブレーキを使用して、速度を下げて走行します。
《追加のヒント》
- 後退時も急発進を避け、方向転換時は、歩トラとトレーラーの角度が小さくなり過ぎないよう、確認しながらゆっくり操作します。
- 乗用トラクターに、けん引式の作業機を装着して走行する際も、同様の対策をとります。
《ヒヤリ、事故》
- 階段畑の下側に移動する時、坂道の途中で変速しようとしたところ、急にハンドルが取られ、機体が転倒した。
- 急な下り坂でギヤが抜け暴走し、下敷になりそうになった。
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