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プロジェクトのご紹介

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プロジェクトの成果
Ⅰ-地域農業機械化支援タイプ1
熟練の技術を要しない安全な ニンニクの盤茎調製機
研究開発プロジェクト担当

農研機構 農業機械研究部門(旧 革新工学センター)、
(株) ササキコーポレーション
ニンニクの盤茎を簡易に調製(根スリ)する機械を開発しました。 熟練者でなくとも、安全かつ安定した調製が可能です。
開発レポート
開発の背景

国産ニンニクの調製作業の一つに、乾燥後のニンニクの盤茎(ばんけい)を除去する「根スリ」作業がありますが、むき出しの刃物による手作業であるだけでなく仕上がり精度も求められるため、経験を積んだ熟練者がこの作業に従事しています。しかし現場では作業者の高齢化が進んでおり、今後の人員確保が困難となっています。

一方、根スリ作業はニンニク本来の品質を損なうものではないため、近年は根スリが不完全な輸入品も流通し、一定の社会受容性を得ています。こうした現状から、国内筆頭産地の青森県で『仕上がり精度は8割で良いので、誰でも簡単に、安全に作業ができる根スリ機』のニーズが形成され、農業機械技術クラスターに対して強い開発要望が寄せられました。

当クラスターでは、こうした産地の課題解決に向け、会員による研究開発に取り組んだ結果、この度、会員企業からのニンニク調製機の市販化に至りました。

開発機の概要

開発機はニンニクを1個ずつ機械に固定し、センターフライス型の刃物を押し当てて盤茎を切削する機械です。切削可能範囲が固定されることで、個人差が生じず、削り不足や削り過ぎがなく、適切な根スリができる仕組みになっています。

開発機の性能・評価

産地の生産者、専門家による仕上がり精度の官能評価では、鱗片部や盤茎の形状がゆがんでいる場合には、削り残しが発生して合格基準を下回る場合があったものの、形状が整ったニンニクでは合格基準を満たしました。

実作業を模した試験での作業能率は、約360個/hでした。これは作業初心者であれば、慣行機(ボールトリマー)を扱う場合の約3倍の能率です。作業体験者からは、誰がやってもきれいに仕上がる、労働の負担感が小さく長時間でも苦にならない、静か、片付けが楽である等、高い評価を得ました。

市販化

研究開発の結果、2018年から、「ガーリックトリマーGN600」(ササキコーポレーション)として受注販売が開始されました(298,000円(税別))。

詳細情報