水田水管理等  
省力・安定化のための
水田用多目的水管理自動化システム

【概要・特徴】
 農家に設置したパソコンと電話回線・無線を利用し、水位センサーと給排水バルブを連動させて水田の水を自動的に遠隔監視制御するシステムで、水稲栽培の省力化・安定化・高品質化が図れる(図1)。
 
【導入効果】
1) 遠隔操作による水管理作業の自動化で大幅な省力化が可能となり、水管理時間は従来の1割以下に短縮できる(表1)。
2) 食味・品質の向上、安定収量の確保等を目的とした自動水位制御ができ、従来の人手による水管理に比較して精確な水管理になり、水稲の安定栽培が期待できる(表2)。
3) 気象予測情報の導入により、異常低温やフェーン現象などの気象災害の予防対応ができる。
4) 水管理の一元化が可能となり、コンピュータ1台当たりの水田管理枚数が多いほど、導入経費も安くなる(表3)。
5) 給水栓に加え、排水堰をも自動化に組み込むことで、水資源の有効利用や環境負荷の軽減が期待できる。
 
【導入上の留意点】
1) 無線通信エリアは半径約1Kmの範囲であるが、中継装置を設置することでエリアの拡大は可能である。なお、特定小電力無線を使用しているので無線免許は必要ない。
2) 初期水位設定にあたっては、水田の均平度を考慮した水位のゼロ設定が必要である。
3) システムは、大区画水田が集団化されている地域への導入が有効である。
 
【実証事例】
 新潟県南蒲原郡栄町川通北地区で生産組合向け実用化モデルシステム(水田6筆計7haで継続実証し、平成14年度現在実働中である。組合員からは次のような声が寄せられている。
毎日の水管理をパソコンで実施することができるだけでなく、生育管理や土地管理への応用も考えられる。また、次代のためにいろいろな基礎データを蓄積できる。
水管理を自動化することにより、中干しが気候に合わせて実施でき、収量や品質管理がある程度可能になる。
水田一枚ごとの水管理や掛け流し灌漑の廃止により、水および電気代の節約になる。
 
 
【開発企業・問い合わせ先】

ソリマチ株式会社 農業情報本部
〒141-0022 東京都品川区東五反田3-18-6 ソリマチ第8ビル
TEL:03-5475-5302 
FAX:03-5475-5353

 

パソコン画面例
システム基本構成

水田設置装置

 
図1 水管理自動化システムの基本構成

 

表1 水管理方法の違いによる水田1枚(1ha)当たり水管理時間
注)水管理時間は農家から約1km離れた水田の給排水栓(1枚当たり各2個)開閉操作および往復移動時間である。

表2 収量及び収量構成要素
表3 システム導入1ha当たり概算経費
注)表内金額は、平成13年1月現在における暫定試算に基づくものです。導入条件等により変更される場合があります。

 

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