環境整備等  
家畜糞尿メタン発酵処理装置

【概要・特徴】
 脱水機(スクリュープレス)による前処理で得られた搾汁液を中温でメタン発酵させてメタンガスを回収する。脱水物はコンポスト化し、資源として有効利用する。メタン発酵槽から流出する消化脱離液はオキシデーションディッチにて好気的条件下でBODおよび窒素の除去を行う(図1)。
装置は次のような特徴を持つ。
1) 糞と尿を分離していなくても、初期段階のスクリュープレスによる糞尿分離(写真2)により効率的なメタンガス発酵が可能になり、配管閉塞トラブルが回避でき、装置の維持管理が容易である。
2) 汚泥を堆肥化する際、副資材(水分調整材)が不要である。
3) 生物脱臭装置の採用により経済的(薬品不要)な悪臭除去が可能である。
4) 生ごみ、食品加工廃棄物、農産廃棄物も同時に処理ができる。
 
【導入効果】
 悪臭や汚水を発生させることなく、エネルギー(メタンガス)とコンポストを回収できるので、糞尿処理経費が低廉である。
 
【導入上の留意点】
 照会に応じて、飼養規模などに対応したシステム設計と価格を提示できる。その際、1)処理対象物(豚糞、牛糞、生ごみ等)、2)処理量及び収集形態、3)原料の水分(%)、4)処理水放流先の有無及び放流基準の有無などの情報があれば迅速に対応できる。
 
【実証事例】
  神奈川県海老名市の神奈川県畜産研究所にて豚糞尿を用いた実証試験を行った(糞尿処理量0.5m3/日、肉豚約80頭規模、写真1、2)。
  処理滞留日数15〜20日でメタン発酵が完了し、汚泥・処理水の浄化状況も良好で、90%前後の窒素除去率が得られた(表1)。
  現在、メタン発酵槽付き浄化槽として、愛知県知多郡美浜町の養豚場で豚糞尿排水量7.7m3/日の浄化設備が実稼動している(2004年8月納入、写真3)。
 
【開発企業・問い合わせ先】
株式会社荏原製作所 環境システム事業部 環境システム技術室 市原 昭
〒108-8480 東京都港区港南1-6-27
TEL : 03-5461-5562
FAX : 03-5461-5736
E-mail:ichihara.akira@ebara.com

 

 
 
 

 

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