【概要・特徴】 |
家畜ふんなどの堆肥化原料に水分調整材(もみ殻など)を加え、加圧・混練して発酵最適状態に整えることができる原料調製装置(エコハーズ)を有していることを特徴とし、これに開放型堆肥化装置(ハーズコンポ)を組み合わせたシステムである(図1)。加圧混練装置(エコハーズ)で調製した原料は、堆肥化過程で悪臭の発生が抑制されると共に、発酵中の材料温度は比較的長時間高温に維持され、適度な水分蒸散により高品質な堆肥が製造できる。加圧混練装置で原材料を調製することにより、1)水分むらの少ない発酵に適した適正含水率にすることができ、2)家畜ふん尿に含まれる敷料や副資材の長い材料を切断・粉砕し、材料表面積の拡大や酸素供給に必要な空隙率を確保し、好気的発酵条件を維持でき、また、3)好気的微生物と材料との接触面積を増大させ、微生物の増殖促進を補助し、4)原料どうしの摩擦による発熱で、冬場でも微生物活性化適温の20~40度に昇温させ、更に、5)加圧混練後、細かく解砕した堆肥化原料は取り扱い易く、かつ汚物感も少なく、悪臭物質濃度を減少させることが出来るなど、多くの効果が期待できる。 小規模畜産経営を対象にガット対策で開発した装置(図2、図3、脚注)は、加圧混練装置を4トン平床ボデー車に固定搭載し、普通免許で公道走行ができる。家畜ふん1.2~1.5t/8hの処理能力を有し、運搬兼用コンテナなどに収容して堆肥化する。現在、デモストレーション用として活用されている。 |
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【導入効果】 |
1) |
原料を加圧混練装置で調製することにより、堆肥化装置による発酵過程での悪臭の発生が抑制され、安全性が十分確保された塊のない粒度の揃った商品性の高い堆肥が製造できる。 |
2) |
移動式簡易型堆肥化装置は、処理現場へ移動して車のエンジンから動力を供給できるので、どこでも作業ができ、畜ふんを簡易に高品質堆肥にすることが出来る。また、調製した原料や堆肥製品を容易に見聞できるため、堆肥化装置選定に効果を発揮する。 |
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【導入上の留意点】 |
1) |
畜ふん、生ゴミ等の廃棄系バイオマスを年間通して多量に処理することが必要な場合は、施設型となる。処理量は5~60t/8hまでの装置を提供できる。 |
2) |
原材料の水分調整に副資材が必要となるが、それらが年間確保出来るかどうか、また、出来上がった堆肥の一部をリターン材とし利用する場合の是非について、十分な検討が必要である。 |
3) |
小規模と大規模堆肥化装置では、その様相がかなり異なるので、既存施設の調査が望ましい。 |
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[脚注] |
○ |
加圧混練装置を車載した移動式は、籾殻、オガ屑、成熟堆肥などの水分調整材を必要とするが、家畜ふんの発生現場で容易に堆肥化処理できる。加圧混練装置で調製された原料は、市販のコンテナやバッグなどに詰め、雨・水のかからない場所に保管するだけで、悪臭や汚水の発生が少なく、品質の良い堆肥を作ることができる。 |
○ |
移動式はデモストレーションや展示会用として利用されているが、一方では、廃棄物系バイオマス堆肥化のための可能性試験(フィジビリティー・スタディー)に活用されている。現在までに、家畜ふんとハンマーミルにかけたタマネギやニンジン、カボチャなどで、籾殻などの水分調整材を加えて調製した原料は、良質な堆肥になることを明らかにしている。もちろん、発酵に伴う悪臭の発生はほとんどなかった。 |
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【導入事例】 |
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【開発企業・問い合わせ先】 |
日本システム化研株式会社 井上 敏 佐野市大橋町2078-4マルニビル3F TEL:0283-21-4700 FAX:0283-21-4741 |
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