厳冬地帯適応小麦品種のハードニングステージと糖代謝の関係


[要約]
 小麦のハードニングステージは体内水分量の変化パターンにより2期に分けられ、前期においては水分の減少に伴って耐凍性が増大する。後期は水分の減少はほぼ停止して、蓄積物質の影響が大きい。その時期に耐凍性型品種では単・二糖類、耐雪型品種においては主に多糖類の蓄積が増す。
北海道農業試験場・地域基盤部・耐寒遺伝研究室
[連絡先]011−857−9397
[部会名]基盤研究 
[専門] 生理
[対象] 麦類 
[分類] 研究 

[背景・ねらい]
 小麦は厳寒地に適応する耐凍型品種と長期積雪地帯に適する耐雪型品種に分化していることが判明しているが、その生理機構についての比較検討は少ない。両タイプに中間型品種(北海道品種)と春品種を加えて、ハードニング期間中の耐凍性(LT50)、水分量、糖の種類別含量について圃場条件下でその推移を調査して、各品種の特徴が発現する課程を解析した。

[成果の内容・特徴]

[成果の活用面・留意点]
 耐凍型品種品種と耐雪型品種の生理的視点からの判定はハードニング後期に実施すべきことが明らかとなった。また、このハードニングステージの分類は圃場条件での観察であるので、人工環境施設での実験系に利用するには新たな検討が必要である。

[その他]
研究課題名:耐凍性に及ぼすハードニング物質の影響
予算区分:特別研究(ハードニング)
研究期間:平成7年度(平成5〜7年)
研究担当者:
発表論文等:小麦の耐凍性と組織の水の物性との関係.第7回脂質シンポジウム、1994
      ムギ類、牧草の越冬機構.農業及び園芸70(5)、1995


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