1粒点播と直列2粒点播法による直播キャベツの株立ち率
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[要約]
キャベツの移植に代わる直播作型を作出するために2通りの播種法を検討した。1粒点播では95%程度の株立ち率が、直列2粒点播では98%以上の高い株立ち率の確保が可能である。
北海道農業試験場・企画連絡室・総合研究第2チーム
[連絡先]0155-62-2721
[部会名]作物
[専門] 栽培
[対象] 葉茎菜類
[分類] 研究
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[背景・ねらい]
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北海道の大規模畑作地帯において各種野菜の畑作型栽培法を確立する方法として直播・一斉機械収穫体系の確立が求められている。しかし、直播栽培では発芽及び生育の不揃いが生じる問題がある。そこで、キャベツを対象作物にした直播栽培において、発芽、株立ちを斉一化するための播種法について検討した。
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[成果の内容・特徴]
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[成果の内容・特徴]
1) ビート直播用ベルト式播種機(S社)を供試した。ベルトの播種穴をLコート種子に合わせて作成し、キャベツの直播法として、1粒点播法(株間3段階)と直列2粒点播法(株間45cm、株内個体間隔5cm)による株立ちの特性を比較した(図1)。
2) 1粒点播の場合、株間間隔によって発芽株立ち率が異なり、株間が35pから55pと広がるほど高い株立ち率が確保できる(表1)。この場合の株間間隔の変動係数はほぼ5%以下である。
3) 直列2粒点播では、株内個体間隔が狭いため1本立ち株が生じるが、全株立ち率は98%以上と非常に高く確保できる。このうち2本立ち株の割合は77〜81%、1本立ち株の割合は17〜23%である(表2)。
4) 直列2粒点播の場合、株間間隔の変動係数は6%程度である。
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[成果の活用面・留意点]
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1) 播種穴に種子が入る割合は、播種ベルトの周速度に影響されるので、播種機の速度を低下させることに より、株立ち率の向上が期待される。
2) 直列2粒点播の場合、ホウによる間引きに10アール当たり2.75時間(人・時間)を要する。
[その他]
研究課題名:畑作地帯における直播野菜の栽培システムの開発
予算区分:経常、高収益畑作
研究期間:平成6〜平成10年
発表論文等:キャベツ直播栽培への4畦用点播施肥播種機の利用、農作業研究 30(別1)、1996
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