長休眠・良質・大粒ばれいしょ系統「北海79号」
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[要約]
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「男しゃくいも」並の早生で、粒揃いが良い俵型の大粒ばれいしょである。
目が浅く、剥皮褐変や調理後黒変がなく、長休眠で貯蔵性に優れ、業務向け用途に適
する。種苗登録を行い、新需要を開拓するための試験を継続する。
北海道農業試験場・畑作研究センター・ばれいしょ育種研究室
[連絡先]0155(62)9272
[部会名]作物
[専門] 育種
[対象] いも類
[分類] 研究
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[背景・ねらい]
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需要が増加している業務向け用途には、流通・貯蔵・加工・調理適性が厳しく求められている。しかし、既存の国産食用品種では対応が難しいため、業務向け用途の輸入ばれいしょがシェアーを拡大している。本系統は、早期世代からこれらの適性について選抜し、実需者・消費者の評価を重視して育成された。
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[成果の内容・特徴]
(1) 「男しゃくいも」並の早生で茎葉は小型、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性(H1) を有する。いもは大きくて粒揃いが良い(表1)。
(2) 目が浅くて剥皮しやすく、剥皮褐変や調理後黒変が少なく、一次加工適性に優れる。 肉色は淡黄、肉質はやや粉、煮くずれは中位、フライのほか各種調理に適する(表2)。
(3) 休眠期間が長く貯蔵性に優れ、長期貯蔵後の品質が劣化しないので生いもの通年供給 ができる(表3)。
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[成果の活用面・留意点]
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長休眠のため慣行栽培法では萌芽・初期生育が遅れ収量が上がらないので、試作にあたっては種いもの高温貯蔵、遅植、密植等の適栽培法を徹底する。
交配母本として活用する。
[その他]
研究課題名:ばれいしょ優良品種育成
予算区分:経常
研究期間:平成8年度(昭和61年〜平成8年)
発表論文等:いも類振興情報49.4−7.1996
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