放牧草地におけるアメリカオニアザミの生態的特性と耕種的防除法


[要約]
 アメリカオニアザミの放牧条件下での個体当たりの種子生産数は約3000で、種子は裸地で良く発芽定着するが、植生内では少ない。定着したロゼット個体はサイズによって繁殖齢が変化するが、開花個体は枯死する。防除は、裸地を低減して発芽定着を抑制するとともに、抽苔茎を8月の開花直後に地際刈りまたは低刈りし、種子の生産を抑止すれば良い。
北海道農業試験場・草地部・草地管理・地力研究室
[連絡先]011-857-9235
[部会名]畜産・草地(草地)
[専門] 雑草
[対象] 牧草類 
[分類] 指導

[背景・ねらい]
 帰化植物のアメリカオニアザミは北海道内で年々分布を拡大している。本草種は生育環境によって繁殖齢が変化する可変性二年草であり、刈取り利用する採草地では容易に防除できるが、放牧草地では不食草のため強害雑草となっている。そこで、この強害雑草の放牧条件下における種子生産特性、発芽定着特性、ならびに生育特性を調査し、放牧草地における本草種の耕種的防除法を確立する。

[成果の内容・特徴]

[成果の活用面・留意点]
 @アメリカオニアザミの耕種的防除法として活用できる。
 A8月に開花した頭花の開花期間は、3〜5日、登熟期間は9〜20日であるため、抽苔茎の刈取りにあたっては開花後短期間の内に完了する必要がある。

[その他]
研究課題名:草地強害帰化雑草の生存戦略の解明と制御技術の開発
予算区分:特別研究(強害帰化)
研究期間:平成8年度(平成5〜8年)

発表論文等:アメリカオニアザミの個体群動態1.放牧条件下の各種攪乱が出芽・定着及び未発芽生存種子の残留割合に及ぼす影響、日草誌、42(別)1996
      アメリカオニアザミの個体群動態2.放牧条件下におけるサイズクラス間の推移確率、日草誌、42(別)、1996


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