アルファルファ草地の造成から2年目までの管理技術


[要約]
アルファルファの定着安定化をはかるために、土壌サンプルから発生雑草を予対策として播種後60日 で掃除刈りを行なっても良い。播種量は単播の場合1.8kg/10a前後、混播ではアルファルファ1.5kg、チモシ ー 1.2kg程度とする。2年目は年2回刈りとする。
北海道立新得畜産試験場 生産技術部 草地科
北海道立根釧農業試験場 研究部 作物科
北海道立天北農業試験場 研究部 草地飼料科
[連絡先]01566- 4- 5321
          01537- 2- 2004
          01634- 2- 2111
[部会名]畜産・草地
[専門]   栽培
[対象]   牧草類
[分類]   指導

[背景・ねらい]
アルファルファ栽培の普及のネックとなっている造成とその後の管理について、アルフ ァルファの定着・スタンドの確保にむけて、天北では雑草対策について、新得では単播 で、根釧ではチモシーとの混播で播種量、刈り取り時期などを検討した。

[成果の内容・特徴]

  1. 播種床土壌サンプルから発生した主要雑草の種類は、草地で発生したものとおおむ ね一致し、土壌サンプルから草地の発生雑草を予測することが可能である。また、発 生雑草は播種時期により異なったことから、播種時期を変えることにより雑草の軽減 が出来る。(表1)
  2. 播種は7月までに終えること。播種量は単播では1.8kg/10aを中心として、7月播 種は6月播種と比べ出芽率が大きく減少するので、播種量を多めにする。混播ではア ルファルファ1.5kg/10a、チモシー1.2kg/10a程度とする。(表2
  3. 播種後60日で刈り取っても2年目の収量、株数、アルファルファ率にに大きな違 いはなかったので、雑草の発生状況により掃除刈りが必要な場合は60日が過ぎれば行 っても良い。(表4)
  4. 2年目草地の3回刈りは2回刈りと比べて、収量的なメリットがないばかりでな く、 3年目の収量も減少したことから、2年目草地は十分に生育期間を取った2回刈 りが 良い。(表5)

[成果の活用面・留意点]

  1. 各地域におけるアルファルファ栽培の造成・定着における管理作業の指針となる。
  2. 本技術は基本的なものであり、気象条件の違いによるアルファルファの生育状況を 常に 把握し、刈り取りは生育に応じて行い、生育が遅い場合は日数にこだわずに十分 な生育期間を取る。

[その他]
研究課題名:高能力牛の1年1産にむけた地域飼料資源を活用する栄養管理システムの確立
(高品質粗飼料の安定生産技術)
予算区分 :地域重要新技術開発促進事業
研究期間 :平成9年度(平成7年〜9年)
研究担当者:堤 光昭、山川 政明、中村 克己、伊藤 憲治、出口 健三郎、澤田 嘉昭、
      藤井 弘樹、佐竹 芳世、坂東 健、 石田 亨、 中島 和彦
発表論文等:
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