機械化一斉収穫をめざしたキャベツの栽培法
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[要約]
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キャベツの機械化一斉収穫のための適正株間は、畦間を60cmに固定した場合、ボールタイプで30〜35cm、サワータイプ、寒玉タイプで35〜40cmである。品種により機械収穫に多少の難易がある。側条施肥により基肥の減肥が可能であり、初期のべたがけ被覆が結球期の前進と玉揃いの向上に有効である。
北海道立北見農業試験場・研究部・園芸科
[連絡先]0157-47-2146
[部会名]総合研究作物
[専門]栽培
[対象]葉茎菜類
[分類]指導
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[背景・ねらい]
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北海道におけるキャベツ生産を増やすためには機械化による効率化と軽労働化が重要である。機械収穫を効率的に行うために、一斉収穫を前提とした標準的な栽培法を設定するとともに、機械化の観点から品種のタイプ別生育特性を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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品種や株間の違いによりキャベツの一球重に差異が認められたが、品種と株間の組合わせによる差異は認められなかった(表1)。
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株間が狭い場合の小球、未結球や腐敗球の発生、株の倒伏程度から考えて、畦間を60cmに固定した場合、株間は「アーリーボール」などのボールタイプでは30〜35cm、「金系201号」などのサワータイプや「大藤」などの寒玉タイプでは35〜40cmが適正である。
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輸入一斉収穫機(MK800-K)による収穫調査では、外葉数が少ない品種ほど機械調製後の付着葉数も少ない。ただし、外葉数が少ない品種は、茎葉切断時の損傷が多い傾向にある(表2)。
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多少の難易はあるが、供試品種はすべて機械収穫が可能である。
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早生品種「アーリーボール」では、側条施肥により慣行基肥量の50%まで減肥が可能である(表3)。やや晩生品種の「大藤」では、75%までの減肥が可能であるが、収穫適期は慣行施肥より約3日遅れる。
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5月上旬定植の早い作期では、6月上旬までのべたがけ被覆が初期生育を旺盛にし、結球期の前進と玉揃いの向上に効果的である(表4)。
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[成果の活用面・留意点]
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これらの技術はセル成型苗を用いた露地平畦無マルチ栽培において利用する。
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[平成10年度北海道農業試験会議成績会議における課題名および区分]
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キャベツの収穫機械化に対応する標準栽培法(指導参考)
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[その他]
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研究課題名:キャベツの機械化体系に対応した標準規格品生産技術の確立、大規模畑作地帯におけるキャベツ等野菜の導入と生育特性
予算区分 :道費、地域基幹
研究期間 :平成10年度(平成7〜10年)
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