飛行安定装置を搭載した無人ヘリコプタの作業性と防除効果


[要約]
飛行速度や高度、方位を感知する飛行安定装置を搭載した無人ヘリコプタによる薬液散布作業において、飛行精度、および飛行安定性は対照の従来機種より向上している。水稲のいもち病・カメムシに対する防除効果、薬液粒子の付着状況、および飛散状況は従来機種と同等である。
北海道立中央農業試験場・農業機械部・機械科
北海道立中央農業試験場・稲作部・栽培第二科
[連絡先]01238-9-2001
[部会名]総合研究(農業物理)
[専門]機械
[対象]農業機械
[分類]指導

[背景・ねらい]
無人ヘリコプタによる薬剤散布は防除技術として定着しつつあるが、安全で安定した作業の成否はオペレータの習熟度に左右される。オペレータの負担を軽減させるため、飛行速度や高度、方位を感知する飛行安定装置を搭載した無人ヘリコプタYH300の作業性と防除効果を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 飛行速度や飛行高度の安定性、および飛行の直線性は対照とした従来機種より向上し、経験の少ないオペレータでも対照機より安定した飛行が可能である。また、送信機のスティック操作量が対照機より減少し、操作性が向上している。
  2. 薬液粒子の付着状況は対照機と同等である。薬液粒子の飛散状況については供試機と対照機の差は認められない。散布幅の拡大により作業能率は対照機より向上している。
  3. 殺虫殺菌混合剤散布によるいもち病・カメムシに対する防除効果は対照機と同等であり、無処理区と比較して高い効果が認められる。

[成果の活用面・留意点]
  1. 無人ヘリコプタ利用技術指導指針および農林水産航空協会の指導に従って作業を行うこと。
  2. 水稲の防除作業以外への適用は未検討である。

[具体的データ]
表1 表2 表3 表4

[平成10年度北海道農業試験会議成績会議における課題名および区分]
課題名:無人ヘリコプタYH300の散布性能(指導参考)

[その他]
研究課題名:無人ヘリコプタYH300の散布性能
予算区分 :受託
研究期間 :平成10年度(平成10年)

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