水田雑草の発生予測法と予測に基づいた除草方法


[要約]
土壌採取による雑草発生量予測には、「採土管」利用が比較的簡便で、水田発生量は採土管予測の約15〜20%であった。この予測法を利用して中耕除草機の使用回数と時期およびノビエ専用剤による枯殺条件を示した。
北海道立上川農業試験場・研究部・水稲栽培科
[連絡先]0166-48-2200
[部会名]作物
[専門]栽培
[対象]稲類
[分類]指導

[背景・ねらい]
無〜減農薬栽培を展開するため、雑草の種類と量を移植以前に予測し、発生量に応じた除草手段を組み合わせて、できるだけ除草剤に依存しない除草技術を開発する。

[成果の内容・特徴]
  1. 土層別の種子からの雑草の発生数は、ノビエでは土層0〜5cmで約50%、ホタルイは0〜5pで約40%で全層にほぼ均等である(図1)。
  2. 「表層」予測発生量を土壌0〜2cm、「全層」を0〜12cm、「採土管」を採土管0〜5cmとした場合、各々と実際の水田発生量の関係は一次回帰式が適合する。
  3. 正確さと簡便さが要求される土壌採取による雑草発生予測には、「採土管」が比較的簡便で、発生源が土壌中に均等に分布しているノビエ、ホタルイなどに適用できる。
  4. 実際の水田発生量はノビエが予測の約20%、ホタルイ12〜14%、ヘラオモダカ約12%、マツバイ14〜18%で、おおよそ採土管予測の15〜20%である(表1)。
  5. 以上の結果から具体的な雑草発生予測法を示す。
  6. 採土管予測発生量で、m2当たりノビエ400〜700本では2〜3回の中耕除草、ノビエ500〜1200本ではノビエ専用剤の1回処理で対応が可能である(図2表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 予測の調査では雑草が小さいので草種の判別が難しい。雑草種子が着いていると判別し易いので、抜きとりはていねいに行う。
  2. 中耕除草機による除草は、水稲が良く活着した時期に行う。
  3. 除草剤の選定にはノビエだけでなく、その他の難防除雑草に対する効果を考慮する。

[平成10年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分]
課題名:水田雑草の発生予測法と予測に基づいた除草方法(指導参考)

[その他]
研究課題名:水田雑草の発生量に応じた除草技術の開発
予算区分 :道費
研究期間 :平成10年度(平成8〜10年)

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