ぶどうハウス根域制限栽培における出荷時期延長
-
[要約]
-
無加温ハウスでの根域制限栽培で成熟期が10月上中旬の欧州種ぶどう「ルビーオクヤマ」は樹上に置いて10月下旬まで収穫可能である。さらに、後期加温により11月上中旬まで収穫延長可能である。冷蔵により新鮮な状態を5週間維持できる。
北海道立中央農業試験場・果樹部・果樹第二科
[連絡先]01238-9-2001
[部会名]作物
[専門]栽培
[対象]果樹類
[分類]指導
-
[背景・ねらい]
-
本道では安定確収、品質向上、労力分配による適期管理が図られることから、ぶどうのハウス栽培が推進されている。しかし、「キャンベルアーリー」などの従来からある米国系品種では収益性があまり高いとはいえないため、栽培面積が伸び悩んでおり、品種の更新が求められている。そこで、収益性向上のため、早期成園化と越冬性に優れる根域制限栽培で、欧州種系品種ぶどうを11月以降に出荷可能とする栽培法、および貯蔵法を明らかにする。
-
[成果の内容・特徴]
-
欧州種ぶどう「ルビーオクヤマ」は、無加温ハウス栽培で10月上中旬に成熟するが、樹上にそのまま維持すると10月下旬まで収穫可能である(表1)。
-
成熟期に入った10月上旬から加温を行い、ハウス内最低気温を5℃に維持すれば、11月上中旬まで収穫時期を延長できる(表1)。
-
無加温で栽培した「ルビーオクヤマ」の果実を1℃で冷蔵すると、約5週間新鮮な状態を維持できる(表2、表3)。
-
試算の結果、「ルビーオクヤマ」を11月に出荷した場合、10月に出荷するより高単価が期待できるため収益性の向上につながる。
-
[成果の活用面・留意点]
-
本試験はハウスでの欧州種ぶどうの根域制限栽培で実施したことを考慮する。
-
[平成10年度北海道農業試験会議成績会議における課題名および区分]
-
課題名:ぶどう根域制限栽培における出荷時期延長技術(指導参考)
-
[その他]
-
研究課題名:ぶどう根域制限栽培における出荷時期延長技術
予算区分 :道費
研究期間 :平成10年度(平成7〜10年)
戻る