カーネーションの一回半摘心作型による出荷時期延長


[要約]
カーネーション出荷時期の10、11月への延長および平準化を目指した加温一回半摘心作型では、中生品種を用い、定植期は3月中旬とし、摘心法は2/4が適する。収益性は従来の一回摘心に比べやや低い。
北海道立道南農業試験場・研究部・園芸科
[連絡先]0138-77-8116
[部会名]作物
[専門]栽培
[対象]花き類
[分類]指導

[背景・ねらい]
カーネーションの出荷時期の秋(10、11月)に向けた延長、平準化を目指した新しい作型、加温一回半摘心作型を開発する。

[成果の内容・特徴]
  1. 一回半摘心作型において、定植期については、2月中旬と3月中旬で10、11月収量が変わらないことや、暖房費を考慮すると3月中旬が適する(図1)。
  2. 早生品種は早期に採花終となるため10、11月収量が少なく、中晩生品種では切り残しの危険性があるため中生品種が適する(図2)。
  3. 一回半摘心により一番花の採花ピークが小さくなり、採花時期が後期へ分散化する(図3)。
  4. 摘心法は、採花時期の分散化や切花品質を考慮すると2/4摘心(2回目摘心本数/1回目摘心後仕立て本数、2回目摘心茎は2本仕立て)が適する(図3図4)。
  5. 疎植にすることにより、採花率、切花品質が向上する(図5)。
  6. 販売単価が同じであるとすれば、一回摘心に比べ一回半摘心作型の収益性がやや低い。

[成果の活用面・留意点]
  1. 全道における加温作型に適応する。
  2. 経済試算は道南地方についてのみ適応する。

[平成10年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分]
課題名:カーネーションの一回半摘心作型による出荷時期延長(指導参考)
[具体的データ]
表1

[その他]
研究課題名:道南地方における春秋期の温暖な気候を利用した花きの新作型開発
予算区分 :道費
研究期間 :平成10年度(平成7〜9年度)

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