サイレージ用とうもろこし一代雑種親自殖系統「Ho40」
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[要約]
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「Ho40」(エイチオウヨンジュウ)は、北海道では晩生に属するデント種で、組合せ能力が高く、耐倒伏性および採種性に優れた自殖系統である。サイレージ用とうもろこしのF1品種の親系統として利用出来る。
北海道農業試験場・草地部・飼料作物育種研究室
[連絡先]011-857-9317
[部会名]畜産・草地(草地)
[専門]育種
[対象]飼料作物類
[分類]研究
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[背景・ねらい]
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我が国の寒冷地に適応し、優れた能力を発揮する国産F1品種を育成するためには、高い組合せ能力を持ち、耐倒伏性、耐病性など各種障害抵抗性、採種性に優れたF1親自殖系統の育成が重要である。そのため、これらの特性を合わせ持つ優良自殖系統の育成を目標とした。
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[成果の内容・特徴]
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育成経過:市販品種「P3790」を母材とし、各種病害抵抗性、耐倒伏性、採種性などについて選抜、自殖を繰り返し、育成したデント種自殖系統である。
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早晩性:絹糸抽出期は、「Oh43Ht」、「A679」と同程度で、北海道では「晩生」に属する(表1)。
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耐倒伏性:耐倒伏性は「強」である(表2)。
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耐病性:すす紋病抵抗性は「やや強」、ごま葉枯病抵抗性は「弱」である(表2)。
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組合せ能力:「Ho40」とフリント種自殖系統「To90」(十勝農試育成)及び「Ho49」(北農試育成)との間の単交配F1系統「月交577」(北農試育成)及び「月交579」(北農試育成)の乾物収量、TDN収量は市販の北海道優良品種より勝っており、組合せ能力が優れる(表3)。
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形態的特性:草型はセミアップライトで、稈長は「やや長」、着雌穂高は「やや高」、稈径は「中」である。分げつは発生しない。雌穂は「円筒形」、粒列数は15.4列で「中」である。粒は「黄色」で「長方形」である(表1)。
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採種性:放任授粉下での乾子実重は、約527kg/10aと高い。花粉飛散程度は「良」である(表1)。
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[成果の活用面・留意点]
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サイレージ用とうもろこしF1品種の親自殖系統として利用できる。
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ごま葉枯病抵抗性は弱なので組合わせる相手には強いものを選択する。
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[その他]
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研究課題名:優良交配親自殖系統の育成
予算区分 :経常
研究期間 :平成10年度(平成6〜15年)
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