ビタミンC向上を目指した早出しキャベツの栽培法
-
[要約]
-
キャベツのビタミンC含有率は栽植密度が疎なほど高まる。早春まきトンネルと春まき作型において、マルチやべたがけの使用はキャベツのビタミンC含有率を高める。早出しキャベツのビタミンC含有率の目標値を早春まきトンネルは50mg、春まきは45mgとして栽培法を設定する。
北海道立道南農業試験場・研究部・土壌肥料科
[連絡先]0138-77-8116
[部会名]生産環境
[専門]肥料
[対象]葉茎菜類
[分類]指導
-
[背景・ねらい]
-
道外移出先における道産キャベツの競争力を高めるため、早出しキャベツについてビタミンC向上を目指した栽培法を確立する。
-
[成果の内容・特徴]
-
農家におけるキャベツのビタミンC含有率は34〜47mg/100gFWの範囲に分布し、平均は42mg/100gFWであり、四訂日本食品標準成分表の平均値(44mg/100gFW)よりやや低い(図-1)。また、窒素施肥量は14〜73kg/10aの範囲で、平均は30kg/10aである。栽植密度は10a当たり3859〜7407株の範囲で、平均は4937株/10aである。
-
早春〜晩春まきの作型において、ビタミンC含有率は結球重が大きくなるにつれて低下し、また遅い作型ほどビタミンC含有率は低下する傾向を示す(図-2)。
-
栽植密度が疎になるほど結球重が増加するが、結球重の増加にともなうビタミンC含有率の低下程度は小さい。また、結球重が同程度の場合、疎植ほど結球部のビタミンC含有率は高い(図-3)。
-
早春まきトンネルと春まきの作型において、マルチやべたがけを使用した区は使用していない区と比べ結球重が同じ場合は、ビタミンC含有率が常に高い(図-4)。
-
窒素施肥量が多くなるにつれ結球重は増加するが、ビタミンC含有率はやや低下する。
-
早出しキャベツのビタミンC含有率の目標値を早春まきトンネルにおいては50mg/100gFW、春まきにおいては45mg/100gFWする。その目標値を達成するためには、収穫時の結球重をそれぞれ1000g、1200gにし、マルチおよびべたがけを使用し、栽植密度を4000株/10a程度、窒素施肥量はそれぞれ施肥標準である14、20kg/10a程度にとどめるべきである(表-1)。
-
[成果の活用面・留意点]
-
供試品種はアーリーボールと金系201である。
-
[平成10年度北海道農業試験会議成績会議における課題名および区分]
-
課題名:ビタミンC向上を目指した早出しキャベツの栽培法(指導参考)
-
[その他]
-
研究課題名:野菜の高品質栽培技術の開発
予算区分 :道費
研究期間 :平成10年度(平成8〜10年)
戻る