かぼちゃの低品質果発生要因と軽減対策


[要約]
かぼちゃの低品質果(乾物率25%以下)発生には、土壌および作物体の石灰栄養条件が関与しており、発生軽減対策として土壌の石灰飽和度50〜60%を目途に石灰資材の施用が有効である。
北海道立上川農業試験・研究部・土壌肥料科
[連絡先]0166-85-2200
[部会名]生産環境
[専門]肥料
[対象]果菜類
[分類]指導

[背景・ねらい]
北海道の主要なかぼちゃ産地である上川北部地区で、澱粉や糖含量の少ない低品質果の発生が問題となっている。極低品質のものは、果実内部が水浸状となり商品価値はなく、出荷先より異常なかぼちゃとして改善を求められている。このかぼちゃの低品質果発生要因を明らかにし、発生軽減対策を示す。

[成果の内容・特徴]
  1. ぼちゃの澱粉+全糖含量は10〜30%と変動が大きく、この含量の低いものを低品質果(18〜20%以下、乾物率として25%以下)とし、ほぼ12%以下が商品価値のない極低品質果である。
  2. 土壌中の石灰含量、作物体中の石灰含有率の低い条件でかぼちゃ品質(全糖+澱粉含量または乾物率)は低い傾向にあり、土壌および作物体の石灰栄養条件が低品質果発生に関与する(表1図1)。
  3. かぼちゃの品質目標を乾物率25%とすると、そのためには果実肥大期石灰含有率は7〜8%、土壌の石灰飽和度は50〜60%程度必要であり(図23)、発生軽減対策としては土壌中の石灰飽和度50〜60%を目途に石灰資材を施用する。

[成果の活用面・留意点]
  1. 本成績は露地栽培、品種「えびす」によるものである。
  2. 石灰吸収を促進するために透水性の改善などの基盤整備に努める。

[平成10年度農業試験会議成績会議における課題名および区分]
課題名:かぼちゃの低品質果発生要因と軽減対策(指導参考)

[その他]
研究課題名:かぼちゃの低品質果発生要因解明と対策技術の開発
予算区分 :道単
研究期間 :平成10年度(平成8〜10年)

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