画像解析による米飯の白さ・つやの評価
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[要約]
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米飯外観(白さ・つや)の画像解析によるを客観的評価方法を開発し、北海道うるち米の現状評価をおこなった。また、米飯の加工、ブレンド評価への応用を想定した、外観総合評価法を開発した。
北海道立中央農業試験場・農産化学部・穀物利用科
[連絡先]01238-9-2001
[部会名]流通利用
[専門]食品品質
[対象]稲類
[分類]研究
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[背景・ねらい]
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白さやつやで表現される米飯の外観特性は、粘りや硬さといった食感とともに食味評価上の重要なファクターであるが、これらの測定機器は開発されていない。そこで画像解析による米飯外観評価法を開発し、極良食味品種選抜への応用をこころみた。
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[成果の内容・特徴]
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米飯画像平均輝度値は、白さを評価するパラメータとなる(図1)。
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米飯のつやは周辺部に比較して高い輝度を持ち、この輝度領域(輝度185以上)の面積および強度(つや領域の平均輝度)がつやを評価するパラメータになる。
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少量試料で安定的な測定をおこなうための測定スキームを作成した(表1)。
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官能評価による米飯の白さおよびつやは、画像解析による平均輝度値およびつや面積と密接な関係が認められた(図2)。
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北海道うるち品種は、白さの点で府県産品種に近づいていると評価できるが、つやに関しては明らかに劣っており、この点が外観上の重要な改善点であると考えられる(図3)。
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ゆきひかり以降に育成された品種は、平均輝度、つや面積とも高く、食味とともに外観品質も向上していることが明らかとなった(図3)。
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ダル、インデイカ系統を含む集団では、つや面積と強度に相関関係ははないことから、これらの米の外観は、つや強度を含めたトライアングルレーダーチャートにより特徴が表現できる(図4)。
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[成果の活用面・留意点]
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育成材料の検定のほか、気象、土壌、栽培条件などによる米飯外観の違い、加工、ブレンドのための指標などに応用できる。
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測定機種、照明装置等が異なる場合は画像入力および闇値の設定に関して新たな条件設定が必要である。
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加水量の設定は、各品種毎に最適化することが望ましいが、最適加水量の設定方法は今後の検討課題である。
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[平成10年度北海道農業試験会議における課題名および区分]
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課題名:画像解析による米飯の白さ・つやの評価(研究参考)
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[その他]
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研究課題名:極良食味米品種の早期開発試験
予算区分 :道費
研究期間 :平成10年度(平成6〜12年)
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