菜豆・花豆の遺伝資源特性情報
- [要約]
- 遺伝資源として、菜豆からは百粒重が大きく矮性の金時類、早生で百粒重が大きく蔓性の虎豆類、花豆からは早生で百粒重が大きい白花豆と紫花豆を選定した。特性調査の結果は遺伝資源情報としてデータベース化を図る。
北海道立植物遺伝資源センター・研究部・資源利用科
[連絡先]0125-23-6697
[部会名]作物
[専門]遺伝資源
[対象]豆類
[分類]研究
- [背景・ねらい]
- 菜豆、花豆は粒大、種皮色等に関して極めて大きな変異を持ち、在来種の種類も豊富である。これらの遺伝資滴の有効利用を図るため、道内外から収集した菜豆・花豆の特性調査を実施し、遺伝資源情報を得るとともに品種選定の資料を提供する。
- [成果の内容・特徴]
- 菜豆1,067点、花豆278点について特性調査し、成熱期が早く百粒重の大きい遺伝資源を選定した(表1)。
- 花豆では、ほとんどが蔓性で、莢は硬く、子実は腎臓形等であるが、菜豆では特に金時類で草型、実の硬軟、子実の形等で多様な変異が認められる。
- 菜豆の成熱期は、「大正金時」に比べて51日以上遅いものは14点(PGR5190、PGR5070等)があり、百粒重は「大正金時」対比で80〜100%を中心として正規分布し、150%に近いもの(PGR6567−5)も認められる。
- 花豆の成熱期は「大白花」に比べて21日以上遅いものが4点(PGR2545、PGR5l06等)あり、百粒垂は「大白花」対比で60〜130%のものが殆どであったが、150%に近いもの(PGR5818、PGR1669等)も認められる(表1)。
- 菜豆から矮性の金時類で百粒重が「大正金時」より大きい2点、蔓性の虎豆類で「福虎豆」よりも早生で百粒重が大きい3点、花豆からは「大白花」よりも早生で百粒重が大きい白花豆の8点と紫花豆の6点を選定した(表1)。
- [成果の活用面・留意点]
- 菜豆・花豆の遺伝資源情報にするとともに品種選定の資料とする。
- 試験年次により生育等が異なるので、それを考慮して利用する。
- 平成12年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分
- 課題名:菜豆・花豆の遺伝資源特性情報(研究参考)
- [その他]
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研究課題名:インゲンマメ及びベニバナインゲンの遺伝資源としての特性調査と増殖、
自殖性植物の特性調査、バイテク技術応用による高級菜豆の早生・極大粒系統の選抜強化
予算区分 :道費(豆基)、道費
研究機関 :平成12年度(平成4〜12年)
研究担当者:手塚光明・千藤茂行・田澤暁子・品田裕二・神野裕信・吉良賢二・白井滋久・白井和栄・小林敏雄
発表論文等:なし
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