コムギ縞萎縮病の抵抗性検定法と抵抗性品種の選定


[要約]
コムギ縞萎縮病に対する抵抗性検定法を確立し、既存奨励品種の抵抗性を明らかにした。抵抗性品種の選抜目標は、発病が認められるものの、生育は阻害されない程度の抵抗性「やや強」以上とする。
北海道立中央農業試験場・作物開発部・畑作科
北海道立中央農業試験場・農産工学部・遺伝子工学科
北海道立植物遺伝資源センター・研究部・資源利用科
[連絡先]01238-9-2001
     01238-9-2001
     0125-23-3195
[部会名]作物
[専門]育種
[対象]麦類
[分類]指導
[背景・ねらい]
コムギ縞萎縮病は、北海道では平成3年に恵庭市、千歳市、長沼町の圃場で初めて発生が確認され、その後発生地帯が広がりつつある。コムギ縞萎縮病の対策には、他の土壌病害と同様に抵抗性品種の導入が最も効果的である。現在の主力品種である「ホクシン」は当病に弱く、抵抗性を持つ品種の育成が待たれていた。本成績では、これまでの試験を一括取りまとめて、コムギ縞萎縮病に対する抵抗性検定法を確立するとともに、既存品種の抵抗性を明らかにし、また、抵抗性品種の選抜目標を設定し今後の北海道における抵抗性品種育成に活用することを目的とする。
[成果の内容・特徴]
  1. 伊達の現地病圃において、コムギ縞萎縮病抵抗性程度が異なる強〜弱の標準品種を設けることにより、小麦縞萎縮病抵抗性を検定できる。
  2. 判定基準は、表1に示した項目とする。
  3. 本検定法でやや強以上にランクされる品種系統は、病圃において明らかな減収は認められない。
  4. 強にランクされる「Madsen」、「北見74号」他10品種・系統は、複数年にわたり安定した抵抗性を示す。
[成果の活用面・留意点]
  1. コムギ縞萎縮病に対する抵抗性品種育成に活用できる。
  2. コムギ縞萎縮病発生地帯における品種選択に活用できる。
  3. 抵抗性品種の栽培は、適正な輪作体系下での作付けを前提とする。

平成12年度北海道農業試験会議成績会議における課題名および区分
課題名:コムギ縞萎縮病の抵抗性検定法と抵抗性品種の選定(指導参考)
[具体的データ]
表2
表3
図1
[その他]
研究課題名:コムギ縞萎縮病の品種間差の評価法と抵抗性母本の探索・小麦縞萎縮病の発生実態解明と緊急防除対策・道産小麦需要拡大のための品質向上対策
予算区分 :道費・受託
研究期間 :平成12年度(平成8〜12年)
研究担当者:竹内 徹・土屋俊雄・佐藤導謙・荒木和哉
発表論文等:なし

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