畑作物主要病害虫に対する農薬減量散布
- [要約]
- ジャガイモ疫病,テンサイ褐斑病に対して,100l/10aと同程度の効果を示す薬剤散布量は80l/10a(20%減量散布)で,てんさいに対するヨトウガ,コムギ赤さび病では60l/10a(40%減量散布)である。減量散布は100l/10a時の散布圧力のまま,作業速度を25又は67%増速する。
北海道立十勝農業試験場・生産研究部・病虫科,栽培システム科
[連絡先]0155-62-2431
[部会名]生産環境
[専門]作物病害・虫害,機械
[対象]いも類他
[分類]指導
- [背景・ねらい]
- 畑作物主要病害虫に対して,現行の100l/10a散布より低減が可能な散布量について,散布方法および作物病害虫別に検討し,農薬減量散布技術指針を作成する。
- [成果の内容・特徴]
- 表1の散布方法により,ジャガイモ疫病(図1)及びテンサイ褐斑病に対しては80l/10a,てんさいのヨトウガ及びコムギ赤さび病に対しては60l/10aの散布量で,慣行の100l/10a散布と同等の防除効果が得られる。
- 80l/10aの散布を行う場合の散布作業は,散布圧力を変えずに,作業速度が100l/10a散布時の25%増しとなるよう,トラクタのエンジン回転数または速度段数を設定する。同様に,60l/10aでは67%増しとするが,作業速度が2m/sを越える場合は,散布圧力を若干低下させ,再計算して散布速度を設定する。
- [成果の活用面・留意点]
- 減農薬栽培の一環として農薬減量散布を導入する際の指針として活用できる。
- 適応薬剤以外の殺菌・殺虫剤では検討していない。
- 懸垂式吹上散布は,畦間に茎葉が繁茂するまで使用可能で,それ以降はブーム散布を行う。
- 外部油圧を使用するエア・アシストスプレーヤでは,ファン回転数が十分に得られる油圧流量のトラクタに装着する。
- 平成12年度北海道農業試験場会議における課題名及び区分
- 課題名:畑作物主要病害虫に対する農薬減量散布(指導参考)
- [具体的データ]
- 表1
- 表2
- [その他]
-
研究課題名:畑作物の減農薬栽培に対応した農薬減量散布技術の実用化
予算区分 :道費(クリーン農業)
研究期間 :平成12年度(平成8年〜12年度)
研究担当者:清水基滋・桃野 寛・小野寺鶴将・田中文夫
発表論文等:なし
戻る