北海道の1kmメッシュの根雪情報と表示システム


[要約]
北海道全域の1kmメッシュの根雪情報を知ることができるマップを作成した。根雪情報の内容は、根雪はじめの日、消雪日、および根雪期間の統計値である。さらに、検索表示システムの利用により任意の地点の根雪情報を把握できる。
北海道農業試験場・生産環境部・気象資源評価研究室
北海道農業試験場・企画連絡室・研究技術情報科
[連絡先]011-857-9234
     011-857-9238
[部会名]生産環境情報
[専門]農業気象情報
[対象]
[分類]普及
[背景・ねらい]
根雪が農業生産に及ぼす影響の評価や対策技術、作業計画の策定のためには、根雪の年次変動に関する情報を整備する必要がある。そこで北海道の1kmメッシュ全地点の根雪に関する統計値、例えば10年に1回の危険率で平年値からどの程度ずれた値が出現するか(これを再現期間10年の再現期間値と呼ぶ)を知ることができる情報を作成する。任意地点の情報を検索して表示できるシステムも開発する。
[成果の内容・特徴]
  1. 全道の根雪情報の統計計算
    この情報は、北海道内の158地点の1969年から1998年までの積雪データを統計関数に当てはめて再現期間が5,10,20,30年の再現期間値を計算し、さらに国土数値情報を使用してメッシュ値を推定したものである。
  2. 根雪情報のマップ
    全道マップから、例えば石狩平野北部の石狩川に沿って妹背牛や深川など消雪の早い地域が存在する様子など、地域的傾向を知ることができる(図省略)。3次メッシュコードと根雪情報値を対応させたテキストファイルを利用すれば、ユーザーは任意の地域の情報を切り出すことができる。図1は美唄地域を拡大した例である。
  3. 根雪情報の検索表示システム 任意の地点の根雪情報は検索表示システムの利用によって得られる(図2)。ユーザーは、北海道全域の根雪情報が表示されるコンピューター画面から、必要な地点の位置をマウスポインターで選択すれば、その地点の住所や緯度・経度、統計情報が表示される(図3)。必要な地点の、7桁郵便番号、緯度・経度のいずれかを入力することによる根雪情報の検索も可能である。
[成果の活用面・留意点]
  1. 全道マップによる地域的傾向の把握、および注目したい個別地点の詳細な情報値の検索が容易に行える。
  2. 積雪観測地点は標高300m以下であるので、それ以上の地域のメッシュ値の信頼性は劣る。
  3. このシステムはWindowsアプリケーションで、CD-ROM1枚に収められている。テキスト版のWeb検索システムも利用できる(http://joho1.cryo.affrc.go.jp/sekisetsu/)。

平成12年度北海道農業試験会議における課題名および区分
課題名:北海道の1kmメッシュの根雪情報と表示システム(指導参考)
[その他]
研究課題名:気象の変動特性の解析とメッシュ化、
      自己増殖事例ベースおよびVRMLを用いた栽培適地マップ作成インターフェースの開発
予算区分 :地域総合、増殖情報ベース
研究期間 :平成8年〜平成11年度、平成8年〜平成14年
担当者  :鮫島良次、喜多孝一、伊藤淳士、山田一茂
発表論文等:Weibull分布を用いた積雪の長期継続期間とその初日・終日について:農業気象,1998、
      北海道の1kmメッシュの根雪情報と表示システム:農気北海道支部大会,2000

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