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ALの草丈80cmを目安にAL単播草地を刈取ることにより、粗蛋白質(CP)含量18%以上の高品質なALサイレージが生産できる(表1)。このための刈取りは、9月中旬までに3回(1番草を着蕾後期、2、3番草は前回の刈取りから40〜45日後)刈取る体系となる。この収穫体系により、利用4年目まで年間800kg/10a以上の乾物収量が安定して得られる(図1)。 |
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この収穫体系に準じてALを収穫した十勝中部の3戸の酪農家における乾物収量は、いずれも800kg/10a以上である(図1)。また、AL単播草地導入により、泌乳成績は向上する(図2)。 |
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経営計画モデル(面積30ha、経産牛50頭)を用いたシミュレーションの結果、搾乳牛に与える粗飼料中の単播ALサイレージの給与割合を高め個体乳量が増加すると農業所得は増加するが、飼料自給率の向上を図るためには、CP自給率が最高で乳飼比が最低となる40〜50%(DM)が、最適な給与割合である(図3)。 |
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慣行の収穫作業によっても、上記のような高品質ALサイレージの調製が可能であるが、調製作業中の品質低下につながる葉部脱落が少なく、乾燥速度が早いフォレージマットメーカ(マットメーカ)を調製作業に組み込むことにより、ALサイレージの品質向上が期待できる(図4)。なお、マットメーカを軸とした収穫作業工程は、刈取り→摩砕(マットメーカ)→集草→梱包→ベール搬出→密封→収納となる。 |